ダニエル・クレイグ版007と平成セブン

 カジノロワイヤルから始まったダニエル・クレイグ版007がノー
・タイム・トゥ・ダイで終わったのだが、カジノロワイヤルから始
まる5部作を見事に締めくくってくれたという感じだ。

 もともと007はイアン・フレミングの原作を映像化しておりアル
バート・ブロッコリとハリー・サルツマンの共同プロデューサーだ
ったのが、リアリティやロマンス路線の女王陛下の007を主導した
サルツマン系よりも荒唐無稽で派手な展開のブロッコリ系のダイヤ
モンドは永遠に以降の作品に路線が分かれていたらしい。

 そしてダニエル・クレイグ版になってからはボンド自体が女王陛
下のジョージ・レーゼンビーが演じたボンドのような雰囲気があり、
ボンド役の交代を路線変更に結びつけたのかと思ったのだ。

 これを見て思ったのは平成セブンである。

 もともとウルトラセブンは最終回で歴戦のダメージで体がボロボ
ロになりながらM78星雲に帰って行くのだが、ウルトラ兄弟の設定
を外した外伝という形で94年に1時間スペシャルとしてエレキング
やピット星人が登場する太陽エネルギー作戦とメトロン星人が登場
する地球星人の大地がOAされた。

 その後オリジナルビデオとして失われた記憶から始まる生誕30周
年記念3部作、栄光と伝説から始まる1999最終章6部作そしてイノセ
ントから始まるEVOLUTION5部作と合計16作品も作られているのだ。

 どうしても正史ともいえるM78星雲編のセブンはウルトラ兄弟の
一員としてウルトラマンやエースらと共に侵略者などと戦っていた
し、これがウルトラシリーズでも最もシリアスな作風のセブンには
相応しくないいとして平成シリーズが作られた感が強い。

 オリジナルの世界を引き継いでいる証拠としてウルトラ警備隊が
存在しているし、昭和と平成をつなぐキャラとしてフルハシがTV
スペシャルでは隊長&オリジナルビデオでは参謀という形で登場
する。

 もっとも平成セブンは生誕30周年記念3部作で終わっていれば
よかったのだが1999最終章でノンマルトを扱ったため、ややこし
い展開になりEVOLUTION5部作では曖昧な形で終わらせている。

 それを考えるとサルツマン路線のダニエル・クレイグ版007は、
ノー・タイム・トゥ・ダイでしっかり終わらせたのは見事だった
わけである。

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