怪奇大作戦の中で浮いていた仲木繁夫監督作品

 レンタルビデオが普及する前は規模の小さな映画館で時おりオー
ルナイト上映会という形でマニアックな作品が上映されていたのだ
が、80年代半ばにウルトラ以外の円谷作品のオールナイト上映会
では当然のように怪奇大作戦があった。

 他の作品に比べ3話上映されており1話・壁抜け男と18話・死者
がささやくに25話・京都買いますの順だが、壁抜け男と京都買いま
すはいいものの死者がささやくだけは何度か見たけど名作とは思え
ないのだ。

 先日も記したように新婚夫婦が旅先の伊豆で偶然下沢警部補の死
体を発見するのだが、それから度々警部補の声により夫の田原明夫
は精神的に追い詰められるばかりか殺害現場からは彼の指紋までが
検出され警察に追われるハメになる。

 結果的に田原の妻・澄子が被害者の警部補が追っていた地下銀行
組織の回し者で、夫を犯人に仕立て上げるための工作だったという
形になるのだが突っ込みどころは満載だ。

 田原明夫は田原産業会長の父を持つのだが学生時代に不良グルー
プに入り事件を起こした過去を持っているので、彼の実家の財産を
奪うために偽装結婚を仕組むというのなら分かる。

 しかし田原は被害者とは全く面識がなく殺害動機もないのに犯人
に仕立て上げるために偽装結婚までさせるのは手間がかかり過ぎだ
と思うし、せめて田原が元刑事だったり事件を起こした時の担当が
殺された下沢警部補ならば接点もあるが それもないのだから地下銀
行というのは行き当たりばったり的な組織だと思ってしまう。

 前作の幻の死神に続いて仲木繁夫監督作品は犯罪組織が相手にな
るのだが、こういった突っ込みどころ満載の内容のため全26話の
中で浮いた感じの内容になってしまっている。

 幻の死神はマイティジャック13話・怪飛行船作戦の田辺虎男で
円谷作品への慣れがないという事情もあるだろうが、死者がささや
くは青い血の女や氷の死刑台の若槻文三なのだから もう少しどうに
かならなかったのかと思うのだ。

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