宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

去年と年初に読んだ本いくつか

2013年01月12日 | 
2013年が明けましてはや11日が過ぎました。
本日は新月で、目標を立てるにはよい日だそうですよ。

本年の目標のひとつとして「読書量を増やす」がある。
かつて私が「読書量を増やす」という言葉を使う裏には、あわよくば「教養を身につけたい」「知的に見られたい」等の功利主義的な思惑がひっついていた。
今もまぁ、そういう思惑がなくもないのだけれど、もっと単純に、本(活字)とともに楽しい時間を過ごしている人がまぶしくみえる今日このごろ。

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年末に図書館で『とにかくうちに帰ります』(津村記久子/新潮社)を借りた。
津村さんは芥川賞を取った『ポトスライムの舟』で知って、それから何冊か読んでいる。
(文学系は大体図書館にあるので、自分でお金を出していないのだが^^;)
世の中何が普通なのか分からないけれど、まぁ普通の人の普通の描写がうまいなーと思う。
『とにかくうちに帰ります』は3作入っていて、表題作と『職場の作法』もおもしろかったんだけれど、びっくりしたのが『バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ』だ。
フアン・カルロス・モリーナはアルゼンチンのフィギュアスケート選手の名前である。
えっ誰!? トリノオリンピックくらいからの人? この世界選手権は一体何年のこと?
たしかに本場の人こそピアソラを踊りたいよねー
You Tube で演技は見られるのかしらー
と、誘惑耐え難く、読んでいる途中でインターネット検索。
結果、いやぁ、津村さん、すごいです。

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去年読んで「こんなにおもしろかったのか!」とびっくりしたのが丸谷才一氏の『たった一人の反乱』である。
エッセイや日本語論は読んでいたけれど小説は読んでいなかったのだ。
追悼のような気持で、図書館にあった講談社文芸文庫を読んでみたのだった。
さすが村上春樹をデビューから推していただけのことはある(というのが、私の丸谷氏に対する浅い認識のひとつ・・・)、とにかく読みやすくおもしろくちっとも古臭くない。
他のも読みたい!と探してみたのだが、図書館に単行本は並んでおらず(正確には一冊あったのだが分厚くて持ち歩けず期限内に読み通せなかった)、文庫も売ってない。
えっなぜどうして?? 他年ならともかく、昨年は追悼コーナーができてしかるべきだろう。
と憤っていたら、個人全集がでるみたいですね。なるほど。
でも私は持ち運びやすく寝転がって気軽に読める文庫本を待望しているのである。

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ネットで話題になっていた『困ってるひと』(大野更紗 ポプラ社)は文庫になっていたので、去年秋に買って読んだ。
噂どおり、というかやっぱり読んでよかった!と思った。
いちおう今自分が福祉のはじっこに関わっていることもあって、そういう面でいろいろ考えさせられた。
また「難病もの」という以上に、著者の大野さんの生育歴、関心の方向、文体etcが、私の関心にフィットした。田舎育ち→フランス語科→難民援助という流れとか。手術中のBGMに清志郎さんの『夢助』を選ぶっていうのは20代のお嬢さんとしてはシブイような・・・名作中の名作ですが
ネットであらたに始められた連載、楽しみだけど更新は難しいのかなと思っていたが、今見たら更新されていた。読まなくては。

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書き出すとなんだかいろいろあるのだが、また項をあらためて。