宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

新天地へ向かうんですよ

2017年12月10日 | 音楽
12月10日は、今年も行ってきました!
「矢野顕子 さとがえる/ひきがたるツアー“ひとりでみんなに届けます”」@NHKホール

新しい弾き語りアルバム『Soft Landing』からの曲を中心に、NHK『みんなのうた』での糸井・矢野コンビ作「ふりむけばカエル」、石川さゆりさんに提供した「ほめられた」「昨日にドドンパ」というセットリストの中で、異色にしてハイライト、大感動したのが

「津軽海峡・冬景色」

いわずとしれた石川さゆりさんの代表曲ですよー。
青森育ちの矢野さんだから、冒頭の歌詞への共感から選んだのかななんて、最初は思っていたのだけれど。
聴いているうちに、この歌の世界に、別の角度から光が当てられたように感じた。

そうだよ。向かう先は北海道。北の大地。
歌の主人公の故郷なのだろうけれど、過去と決別するときは「帰る」といっても別の心境だよね。
過去を思って泣いてるばかりじゃ海峡は越えられないのだ。
凍えそうな寒さの中にも、キリッと身が引き締まるような爽快感がきっとある。

わーそういう歌だったのか、と思いっきり蒙を啓かれた感が。
作詞の阿久悠氏が聴いたらどう思うかな。でもきっと喜んだんじゃないかな。

思えばこの歌が内包しているものって、矢野さんがアルバムでカバーしている山口百恵さんの「いい日旅立ち」とも共通しているのかなと思えてきた。
さらに勝手に深読みすると、歌詞が言っていることとしては、矢野さんのデビューアルバムに入ってる「気球にのって」とも共通している。気球で行くか、連絡船に乗るかの違いで。

発表年を調べると「気球にのって」1976年、「津軽海峡・冬景色」1977年、「いい日旅立ち」1978年なんだそうで。
同時代の歌謡曲を聴いていろいろ思うところはありそうだ。
(昭和の歌謡曲は、過去に未練を残す心情を歌い上げることで多くの人の共感を呼んでいたのだなと今書きながら思った。百恵ちゃんの「いい日旅立ち」が子供の自分にはよく分からなかったのもその辺に理由があるのかな)

とにかく、かっこよかったなー。これぞ矢野さんの真骨頂!

ということを、まずは書きたかった。

(12/12記 この日NHK『ごごナマ』ゲストが清水ミチコさんだった! モノマネメドレーの最初に矢野さん版『丘を越えて』もやっていたよ。どういう人をモノマネの対象として選ぶかについて「自分に自信があって自分の意見を持っている人が好き」とのことで、なるほどーと思った)