宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

9月に読んだ本

2020年09月29日 | 
9月の読書の備忘録として、もう2冊書いておこう。

『シングルファーザーの年下彼氏の子ども2人と格闘しまくって考えた「家族とは何なのか」問題』(花田菜々子 河出書房新社)

前著『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』は、覚え書きノートを見ると2年前の9月に読んでいた。
図書館にあったので借りてみたのだけど、思いのほかおもしろく感銘を受けたのだった。
が、なんで、どう感銘を受けたのだったかがもう覚えてない・・・
本や他人や自分の気持ちに対する誠実な向き合い方っていうところかなぁ・・・
やっぱりちょっとでも感想を書いたりしておかないと忘れてしまうな。

で、前著がおもしろかった記憶があるので、今回の新作も書店で見て気になっていたのだが、ん、本の話ではない?私生活の話かーと、即買いするには至らずそのままになっていた。
が、幸いこの本も図書館に入っているのを見つけ、喜んで読んでみて、うん、やっぱり良かった。

家族ということじゃなくても、子どもとの関わりは難しい。何が正解か分からないし、自分がその子だったらどう思うと考え出すとますます悩む。
で、子どもとも彼氏とも、既成の「こうあるべき関係」にあてはめようとするんじゃなくて、ひとつひとつ、お互いの個性や感情を大切にしながら、関係をつくっていっている。
つくりあげていきたいと思う相手と家族になっていくんだなぁー
あくまでまったく個人的な事柄を書いてるんだけど、そこに普遍性がある、というのが好きなところかなーうまく書けないけど。

もう1冊は
『ドン・キホーテ 笑う!』(鴻上尚史 論創社)
鴻上さんの著作の中でいちばん売れていないというドン・キホーテシリーズ。
去年は新宿の紀伊國屋書店で買ったものの、今年はまったく忘れていたのだが、たまたま見た書店の棚にあったのである。
人気らしい『ほがらか人生相談』の隣にあったので、今回一緒に仕入れてみようかと思ったのかも。

週刊誌連載の時評コラムはやっぱり「足が早い(腐りやすい)」というイメージがあって、鴻上さんのでなくても、買うのをためらう向きはあると思う。
私は中野翠さんのコラム集は毎年買っているけれど、あれも文庫ではもう出なくなってしまったし。
それでも、中野さんの本は、毎年、年末に出るので、その年を振り返るという意味で買う習慣にしている人は私以外にもいると思う。
鴻上さんの本も、夏じゃなくて、年末か年度末の発売ならまた違ってくるかも。
あとやっぱり営業力かなぁ・・・書店で見かけるというのが大切なのよね・・・『ロンドン・デイズ』も買いたいと去年思っていたことを、思い出した。見かけないからあきらめてしまうのよね・・・

と書きながら、営業力とか言っても、書店に行かない人には関係ないね・・・と思う。

宇宙!

2020年09月29日 | 
もう四半世紀くらい前!?の本だけど、『本の雑誌』での連載をまとめた『発作的座談会』(椎名誠、沢野ひとし、木村晋介、目黒孝二)という本があって、好きだった。
文字通り、4人が雑多な話題についてあれこれ座談している。
本はもう手元にはなく、記憶はおぼろなのだけれど、その中で、「月に行ってみたいか」という話題があり、SF好き椎名さん、目黒さんが「絶対行ってみたい!」「だって地球が見られるんだぜ」と言うのに対して、沢野さん、木村さんは「ふーん・・・(まったく興味なし)」という感じだったのが、妙に記憶に残っている。
世の中かように、宇宙に対する興味は、ある人はすごくあるし、無い人はまったくないように思われる。
私はといえば、SFは苦手だし、はっきりと沢野さん木村さん側なんだけど、SF好き、天文好き、宇宙好きという人に対して、そういうものに興味が持てるっていいなぁーと憧れる気持ちも、ある。複雑だ。

さてさて、何が言いたいのかというと、そういう私なので、宇宙に関する本もほぼ自分から手に取ることなどないのだけど(あっ宇宙飛行士向井千秋さんの旦那様、向井万起男さんの著書は読んでいた。でも関心はもっぱら宇宙以外だったな・・・)、これはやはり買わなくては。そして読みました!

『宇宙に行くことは地球を知ること 「宇宙新時代」を生きる』(野口聡一 矢野顕子 取材・文 林公代 光文社新書)

図らずも、本日、野口さんが搭乗するスペースX社の新型宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げが10月31日に決まったというニュースが。この本を読んでなかったら「ふーん・・・」で終わるところだった。
(テスト機の打ち上げについてはそういえば矢野さんのツイッターで見たと思うけど、まさに「ふーん・・・(興味なし)」だった(^^;)
この本の出版時期もそういうタイミングをはかってのことだったのね。

個人的に読んでいちばん思ったのは「言葉の力」。
宇宙での体や心の感じ方、死と隣り合わせているという感覚、闇の世界、そんな中で生物としての地球が持つ圧倒的な存在感・・・映像を見ても感じられる人は感じられるのだろうけれど、私は本を読んではじめて、何か、こう、具体的にリアルな感覚として「なるほどそういうものなのか」と分かった気がする。
野口さんや、全体をまとめておられる林さんは、宇宙のことを子供たちにも伝える機会も多いからだろうか、すごく分かりやすく読みやすく、一読してすっと頭に入る。すごいなぁ。

宇宙の始まりと神についての話はリスキーだと思ったけど、実際信仰を持っている人にとっては気になることだ。うまくまとめてあるなぁと思った。

宇宙飛行士の当事者研究というのも、文系人間(だからかなんでか)で、やっぱり個々の学問分野よりも携わる人間そのもののほうがいつも気になってしまう私には、興味深かった。

蛇足というか気にするところでもないんだろうけど、民間宇宙船の初号機には日本人宇宙飛行士を乗せたいと、JAXAがアメリカ、ロシアなどの宇宙機関に長年にわたって要求していたとあって、なるほどなんというかそういう政治的な働きかけってやっぱりあるのね、と思った。

野口さんに関して、NHKラジオ講座テキスト「まいにちロシア語」で連載しておられたのを思い出した。
「ガヴァリート・コスモス!~宇宙への道はロシアから~」と題して2017年4月から2019年3月まで。
当時は宇宙食とか興味ある回しかちゃんと読んでなかった(^^;
テキストを買ってなかった時期もあるので全部じゃないけど、読み直している。
ロシア語またちょっとやる気になった(^^;

関係ないんだけど、野口さんは紅白で木村拓哉さんと肩を組んでいた印象があって、キムタクと同年齢と思い込んでいたのだった...