観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

希望の党玉木代表の質問の検討(1)

2017-11-22 02:54:44 | 護憲勢力と仲間達
希望の党代表玉木雄一郎氏の(安倍首相の)所信表明に対する代表質問の重点部分の検討をします。希望の党が憲法改正論議に加わるかどうかは重要な意味を持つからです。対話できるなら、対話したいが首相の本音でしょう。勿論、以下は筆者個人の見解です(安倍首相の答弁は確認していません)。

>先のトランプ大統領との会談では、「日米両国が北朝鮮問題に関し、100パーセントともにある」と確認されました。トランプ大統領はかねてより、軍事行動を含め、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と言っています。日米同盟の重要性は言うまでもありません。しかし「100パーセントともにある」とまで明言したのは、軍事行動も含めて行動をともにすると理解してよいのでしょうか。総理、ここは国民が一番聞きたいところでもあるので、明確にお答えください。

これは拡大解釈だと思います。トランプ大統領は軍事行動を含め全ての選択肢がテーブルの上にあると言っています。それに対して安倍首相は「100%ともにある」ですが、これはトランプ大統領が最終決断をしたら容認するという意味であるように受け取れます。それ以上の意味はないのであって、日本が軍事行動をするととるのは揚げ足とりの類と思います(あげてもいませんが)。民進党時代の癖が抜けきらないようで。安倍首相が憲法や自衛隊法が容認しないことをやろうとしているという印象操作であるように見えなくもありませんが、それは誤りでしょう。

>私は、北朝鮮への宥和政策には反対です。北朝鮮の核・ミサイル保有が固定化されてしまうような、最悪の宥和政策に引き込まれる事態は断じて避けなければなりません。しかし、制裁や圧力、過激な言葉の応酬は、必然的にエスカレーションをもたらします。総理は、こうした圧力の先の「着地点」を一体どうお考えでしょうか

まず今のところはエスカレーションしていないですね。北朝鮮は今制裁に対して行動をおこしておらず大分大人しくなっているように見えます。全会一致の制裁で行動しても国際世論は好転しないと見ているからでしょう。北朝鮮最大の後ろ盾の中国の共産党大会にあわせたようにも見える衆議院解散の決断が功を奏した可能性もあると思います(北朝鮮が暴れたら北朝鮮に強硬とされる安倍政権の支持が増えると事前に指摘されていたと思います)。圧力の先の「着地点」は北朝鮮の核放棄・拉致問題解決しかないでしょう。あるいは圧力が体制転換を誘発するかもしれませんが、そこが着地点ではありません。この着地点は北朝鮮の決断によってもたらされるのが望ましく、軍事行動によってもたらされることが望ましいとは思えません。

>万が一にも軍事衝突が起きた場合、朝鮮半島にいる日本人の退避策をどう考えていますか。

これは日本を敵視する韓国が日本の自衛隊入国に同意しないみたいですから、米軍頼みと言われてますね。韓国の言う「歴史問題」とは日本の視点からはデマが多く含まれ、必ずしも丸呑みできる主張になっていないと思えます。韓国の日本敵視を止めさせるのは容易でないと思いますが、日本は解決に向けて動き出したようです(日本国際問題研究所が「歴史と和解」テーマに初の海外シンポ開催へ 日本側主張を積極発信 産経ニュース 2017.11.19 23:06)。日本では相手の主張を丸呑みすることが誠意と思っている人も多いようですが、少なくとも国際的には通用しないと思います。

北朝鮮のミサイルの射程にすっぽりと入る日本と国民の安全を確保するために、どのような具体策を考えていますか。

イージス・アショアの導入が決まりましたね(秋田と山口への配備を検討しているようです)。今現在の危機に間に合わないことは間違いありませんが、それはもう止むを得ません。安倍政権は安保法制を通して日米同盟の絆を深めました(今回の危機で可能になった給油活動を行っています)。秘密保護法も役に立っていると言われます。ハードの整備は遅れましたが、決して安倍政権が北朝鮮対策に繋がる安全保障政策の基盤整備を怠ってきた訳ではありません。逆に玉木氏にお聞きしたいのは、民主党政権時代に北朝鮮対策に繋がるような何かをやったのかどうかということです。

拉致被害者全員の帰国実現に向けた総理の具体的な方針を示してください。

対話より圧力を優先させるのが米国とも一致した安倍政権の方針だと思います。圧力の先の対話も首相は考えていると思いますが、外交問題であり具体的な中身までは言及できないのではないですか?交渉内容を表でベラベラ喋ってしまうようでは、交渉人としては問題ありでしょう。方針とはそもそも抽象的なものであって、具体的も何もないんだと思いますが、引っかけをちょいちょい入れるのはわざとなんですかね?

長くなりそうなので、本日は外交安全保障まで検討したところで終わります。続きは土曜以降を考えています。

難民問題と中東の安定(レバノン情勢から考える)

2017-11-21 22:27:57 | 政局・政治情勢
予告していたレバノン記事ですが、中東情勢を自分なりに見たところ、レバノンの安定と復興のカギは難民問題の解決にあるかと思います。これはレバノンに限らず中東情勢全般に言えることだとも思います。

レバノン基礎データ(外務省)

>中東和平問題に関しては、レバノン・シリア両トラックの一体性を強く主張し、公正かつ包括的な和平を求めている。中でもレバノンは、民族宗派間の人口バランスを崩すパレスチナ難民のレバノンへの帰化を拒否し、難民の帰還権を強硬に主張する立場をとっている。また、ヒズボラなど対イスラエル抵抗組織の活動を許容する立場を示している。アラブ連盟の一員であり、アラブ諸国との外交に重点。また、旧宗主国である仏とも緊密な関係にある。

レバノンはパレスチナ難民の帰化を拒否しています。かと言ってイスラエルが急にパレスチナ難民を受け入れることはないでしょう。戦争でアラブ諸国に済めなくなったユダヤ人をイスラエルは受け入れたので、パレスチナ難民はアラブで受け入れるべきだというもののようです。じゃあどうすればいいかと言えば、筆者には難民受け入れのプロのようにも見えるヨルダンでの受け入れがひとつのアイディアだと思います(シリア難民で国は「沸点」に ヨルダン国王インタビュー(BBCニュース 2016年02月2日)>国王は、ヨルダンに今後も難民を受け入れてほしいと国際社会が期待するなら、もっと支援しなくてはならなくなると述べた)。ヨルダンは既にイラク難民・シリア難民を受け入れてますが、こちらは故国に帰る方向性が望ましいと考えられます。正直厄介者になっているようにも見えるレバノンのパレスチナ難民に解決の糸口が見えれば、レバノンの対イスラエル感情は軟化し(レバノンはイスラエルが受け入れないことが問題だと思っているはずです)、対イスラエル強硬派かつ過激派のヒズボラの問題に向き合い易くなるかもしれません。

>2011年3月以降のシリア情勢に対し、レバノン政権は不干渉の立場をとっているものの、ヒズボッラーはシリア政権を支援して事実上参戦し、また、約100万人以上のシリア難民受入れによる社会の不安定化、シリアからの過激派勢力の侵入による治安の悪化、主要産業である観光業収入の激減による経済状況の悪化等、シリア危機はレバノンに深刻な影響を与えている。

レバノンにとってパレスチナ難民が厄介者なら、シリア難民が厄介者でないはずがないと思うんですよね。シリア情勢がどうなるか予断を許しませんが、将来的にはシリア難民はシリアに帰還するのが望ましいと考えられます。人は生まれ育った国で生活するのが本来は望ましいと思います。今ならまだ(パレスチナ難民ほどは長期化していないので)帰り易いところはあるのではないですか?シリアからの過激派流入が止まれば、シリアと関係の深いヒズボラの勢力も弱まるように思えます。それがレバノン国民の本当の望みかもしれません。

イスラエルに都合のいいような考えに見えるかもしれませんが、イスラエルは最近、国の東側(ヨルダン・イラク・クウェート・サウジ)の情勢安定を見込んで関係改善と経済発展を目指し始めたようにも見えます(イスラエル、アラブ諸国に広域鉄道網提案へ 担当閣僚が表明、日本に協力要請 日経新聞(2017/10/21 21:00))。イスラエルとアラブが協調の方向性に進めば、中東情勢は安定の方向に向かうことは間違いないでしょう。

>現国会議員の任期は2013年6月までであったが、選挙を実施するための選挙法について、各政治勢力間で合意に至らず、2014年11月までの任期延長に合意。2014年11月、任期を2017年6月まで再延長した。2017年6月に新選挙法が可決され、準備期間として議会任期をさらに2018年5月まで延期した上で、議会選挙が2018年5月に実施される見通しとなった。

レバノンでは2018年5月に選挙があるようです。それまでにある程度国の方向性について考えていくべきであることは言うまでもありません。

>レバノンには18の宗派が存在し、各宗派に政治権力配分がなされ、バランスの確保に意が用いられている(大統領 マロン派、首相 スンニ派、国会議長 シーア派)。
>また、各宗教・宗派もそれぞれ一体ではなく、各宗教・宗派内でも複数の党派がそれぞれの政治的立場や利害を巡り確執や同盟関係を複雑に展開する政治構造がある。

レバノンの政治権力構造は複雑のようですが、レバノンはレバノンなりに上手くやっていくと思います。政治の安定が必要で、大量の難民流入で事態を複雑にするべきではないのでしょう。

>内戦以前の首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれ、中東のビジネス・金融センターとして繁栄していたが、内戦によってシステムが崩壊。
>現在のレバノン経済は、観光、不動産、外国からの送金等、国外の政治・経済情勢に大きく左右される分野に依存しており、経済の自立性を高めることが課題となっている。

レバノン情勢が安定し、中東情勢が安定すれば、レバノンは再び輝きを取り戻せると思います。中東情勢の安定は日本の国益でもあり、ビジネスチャンスでもあると思います。できる協力はするべきでしょうね。

貿易と雇用、基軸通貨、経常赤字に関するアメリカ世論の考察が必要(トランプ大統領個人の問題と言えるだろうか?)

2017-11-20 01:14:09 | 政策関連メモ
日高義樹氏の「トランプ登場は日本の大チャンス」のTPP部分を読みました。TPPに関する内容そのものは氏は経済専門家じゃありませんし、ほとんど賛同しませんが、気になったのはアメリカ世論に関する部分です。何でも自由貿易を政治家がアメリカで売り込むのは難しいのだとか。サンダース旋風・トランプ旋風でTPP反対があったのは分かりますし、ヒラリーも折れましたから、アメリカがTPPに関して厳しいのは分かっていましたが、改めてアメリカ世論は自由貿易に厳しいのかな?と思った次第です。だとしたら、トランプはTPPを絶対にやらないと見なければなりません。仮にトランプ退陣を想定してもダメでしょう。アメリカ世論が自由貿易に厳しいなら、どんな政治家が大統領になってもTPPを通すことは難しいと考えられます。一般にトランプ大統領が保護貿易で問題と指摘する声がありますが、確かにトランプ大統領が殊更保護貿易を言っているのは間違いないとしても、それは必ずしもトランプ大統領の独断とは言えないのであって、アメリカ世論を受けてのことだと考えなければ、事の本質を見失います。保守的な一部の世論と思うかもしれませんが、共和党は議会で優勢を保っていますし(続くかは予断を許しませんが)、貿易に関してはTPPの話題を振り返るまでもなく、民主党でも厳しい声は少なくありません。

アメリカ世論がそんなに自由貿易に厳しいのは、「NAFTAの失敗」が尾を引いているからだそうですが、まぁ経験則なんでしょうね。確かにアメリカが自由貿易を推進すると、更に経常赤字が増える可能性があると思います。多分、日本は逆ですね。ドイツがEUで栄えたのと似たような感じになるかもしれません。ただ、日本は眠っているお金がありますから、参加国全てにメリットはあると思います。アメリカが参加すればアメリカにもメリットはあると思いますが、世論が自由貿易の効果に批判的だったらどうしようもない感じですね。何故批判的か良く分からないところもありますが、多分雇用が流出して赤字が増えるのが納得いかないんでしょうね。消費者のメリットよりそちらの方が気になるんでしょう。

トランプ大統領は経常赤字を何とか縮小させたいんでしょうが、難しいところもあると思います。少なくともTPP参加国に対して、日本と競合する産業(自動車など)では勝つのは難しくなるのではないでしょうか?トランプ大統領はFTAを言いますが、明らかにアメリカに有利な内容なのであれば、中々結びたいと思う国はないと思います。輸出を拡大して経常赤字を縮小したいトランプ大統領ですが、アメリカが関税を下げる動きから引くなら、輸出が伸びる道理はありません。より輸入は増えないかもしれませんが。また、賃金の安いメキシコを何らかの形で利用しないなら、アメリカ車の輸出が競争力を持つのは難しいのではないでしょうか?政策にはメリット・デメリットありますから、この辺はどうしようもないと思います。

オーストラリアとアメリカの国柄って比較的似ていると思うんですよね。アメリカも国が広くてアウトドアなイメージがあると思いますが(「アメリカ アウトドア」でgoogle検索すると、【 ALL 】アメリカのアウトドアブランド一覧 - ファッションプレスが1位で出てきます。数が多いです。中でもパタゴニアは有名かと思います。8位では〔海外〕アメリカのアウトドア用品店の品ぞろえがすごい!!(NAVERまとめ)が引っかかります)、海外旅行最大手のHISで「大自然・ファッション・非日常な世界」を楽しむグランピングなるものの先進国がオーストラリアだとして売り込んでいるみたいですね。日本においてアメリカ車でジープが一人気を吐いている記事に以前リンクしましたが、8年前の情報ではあるんですがハーレーダビッドソンも相当頑張っているみたいです(縮む市場で一人勝ちのハーレー「ファンを作る販売店」が19年連続増収を支えた 日経ビジネス 2009年6月27日(土))。日本は過密な国ではあるんですが、一方で広い国に対する憧れもあって、アメリカやオーストラリアのブランド価値を認めているところもあると思うんですよね。アメリカにも言い分はあると思いますが、日常乗る車としては日本車があるのにアメリカ車に変えたいという人がそんなに多いとは思えません。一方アメリカの強い分野ではアメリカは十分勝負できているとも思います。オーストラリアはアメリカに似たところがある市場だと思いますが、自動車販売台数では日本が強いみたいですね(自動車販売台数速報 オーストラリア 2017年(自動車産業ポータル))。トヨタはオージーモデルのランドクルーザーもつくっているみたいですし(日本ではまず見かけないオーストラリア仕様、逆輸入車のトヨタ ランクル70(ディーゼルモデル)とは? FLEX)、アメリカがボヤボヤしていると(?)、日本が今以上にオーストラリアでアメリカに勝ってしまうかも?アメリカ国民の皆さん、自由貿易は如何ですか?(チラッチラッ)オーストラリアからは、残念念ながらGMもトヨタも撤退してしまいました。トヨタは断腸の思いだったみたいですね(オーストラリアの自動車生産消滅へ トヨタも撤退 その背景とは?(newsphere Oct 6 2017)>「進出すれば撤退しない」という基本ポリシーのトヨタにとっては苦汁の決断だったようだ)。ビジネス戦争は熾烈で、アメリカが一人保護貿易をすると、更に輸出産業が弱体化するのではないかと思います。

政府の借金が解消されたら、国にお金が回らなくなるという議論がありますが、それに似て基軸通貨国であるアメリカが経常黒字になってしまうと、世界にドルが回らなくなるという話もあります。基軸通貨国だと、刷ったら刷った分だけ、外国から買えるんでしょう?その特権を捨ててまで、黒字を目指さないといけない理由はないんじゃないかと思いますが(国際通貨(ウィキペディア)>基軸通貨の発行国は必然的に経常収支は赤字になる(国際的な流動性を供給するためには、発行国は経常収支が赤字となって各国に通貨を供給する必要がある)。基軸通貨である限り経常収支の赤字額は発行国の利益になる(各国が基軸通貨資産を外貨準備として持つことにより、発行国はその代金としての海外資産を手にすることができる)。新興国の経済発展により基軸通貨の需要が増えた場合は、供給量が一定であれば基軸通貨の価値は上昇する)。世界で唯一の基軸通貨国であるアメリカには特殊事情があると思います。何もかもマネすると、事情の違う外国は上手く回りません。

何時までも赤字は持続しないという話もありますが、この辺は筆者には良く分かりません。仮にそうなのだとすれば、基軸通貨国であり続けられる国は存在しないということになります。

結局のところ、トランプ大統領に明らかにしてほしいのは、どうしても経常赤字の縮小を目指したいのか?ということです。関税を互いに引き下げるという手法だと輸出は拡大するかもしれませんが、輸入も拡大してしまうと思います。ですから、一方的に関税を引き上げたいということかもしれませんが、これだと報復関税を招きますし、世界経済は縮小してしまうと思います。これを懸念している人が多いのではないでしょうか?百も承知と思いますが、政策に魔法の杖はないと思います。

※11月22日深夜改稿

宗教界と対立するムハンマド・ビン・サルマーン皇太子

2017-11-19 14:36:39 | 政局・政治情勢
ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が11月4日の一斉逮捕で物議を醸しています。最近ではレバノンのハリリ首相の拘束疑惑もありましたね。欧米での懸念に理解できるところはあります。

でもムハンマド・ビン・サルマーン皇太子はイスラム諸国の中でも超保守的とされる宗教界と戦ってきた人物とされています(サウジ突然の政変、その真の狙いはどこにある Newsweek 2017年11月17日(金)15時40分>社会的な側面では、超保守的な宗教界を相手にムハンマドは戦っている。宗教界はあらゆる手段を使って、特に女性をめぐる変化を阻もうとしてきた。サウジアラビアは女性の自動車運転を禁じていた世界で唯一の国で、女性の運転禁止は国家のイメージを悪くするだけだった。これを変えようとする過去数十年間の努力がやっと実った形だ)(サウジアラビアの改革は宗教と衝突する(Financial Times 2016/4/28 15:45 archive.is))(サウジ、女性の運転容認 宗教界の反対押し切る 日経新聞 2017/9/27 9:42)。

だからと言って政敵相手に何をしてもいいという訳でもないと思いますが、政治的安定がないと、古今東西難しい問題を解決するのは難しいのも確かなことです。中東ではフセインという独裁者を倒したら、ISというよりタチが悪いのが出てきたという事実もあります。

宗教弾圧が望ましい訳ではありません。ですが決め付ける訳ではありませんが、イスラムとテロの関係は囁かれて久しく、今のところこれといって打開策がある訳ではありません。宗教を隠れ蓑にテロが許される訳ではなく、過激派であるところのヒズボラなどの勢力に厳しい姿勢(シーア派過激派のみに厳しいのかもしれませんが)のサルマーン皇太子が宗教界に対して優位に立つことは、対テロの観点から一歩進むと考えられなくもありません。あまりに閉鎖的なブラックボックス組織は何を考えているか分かりませんし、宗教テロは現実の話です。サウジ王家も閉鎖的かもしれませんが、サウジのイスラム保守派よりは開明的なところがあるでしょうし、行動を見る限りは、現実を踏まえながら、改革を進めているようにも見えます。

サルマーン皇太子の全てを認める必要はないと思いますが、一歩引いて改革を支援する必要があるのではないでしょうか?

サルマーン皇太子とて国民の支持、支配者階級の支持が必要ですから、欧米の操り人形と見られる訳にはいきません。自分の方がサウジを良い方向に導けると味方に対し説得できることが重要で、あまり全力でサルマーン皇太子の悪い(ように見える)部分を批判することは良い結果をもたらさないように思えます。

実際問題、(同じ中東の)ヒズボラのような過激派と戦うためには強い指導者が必要なところもあるのではないですか?

アフガニスタン安定の鍵を握るのは中央アジアの安定と南北ルートの開拓

2017-11-19 13:11:04 | 政策関連メモ
誰しも難しいと考えるアフガニスタン問題でしょうが、筆者は最近の国際情勢の変化を受けてひとつアイディアが出てきました。それは中央アジア情勢の好転です。

中ロの裏庭に変化あり 中央アジア「共同体」の現実味(Newsweek 2017年11月18日(土)14時40分)

何でも昨年末に就任した域内で最大の人口と軍事力を持ち唯我独尊の姿勢を貫いてきたウズベキスタンのミルジヨエフ大統領が域内で友好協力の姿勢に転じて団結の機運が出てきたようです。中央アジアは資源が豊富ですし、情勢が安定さえすれば、可能性がある地域だと思います。

ここで重要なのは、資源をどこに輸出するかでしょう。ユーラシアは東西に長い大陸ですので、中央アジアの繁栄を考えると、東西のルートも良しですが、南北がルートも鍵になると思います。歴史的に中央アジアの交通の要衝とはアフガニスタンです。アフガニスタン自身も資源が多く眠る国ですが、更に中央アジアの資源も合わせて通すことによって、経済が活発になります。中央アジア自身も資源の搬出ルートの安定は重要ですので、アフガニスタンの安定に協力も見込めるのではないでしょうか?

アフガニスタンの先は9割9分パキスタンになると思いますが、パキスタンの安定も重要です。パキスタンの先には大人口があり、発展も見込めるインドで、資源を必要としているのは間違いありません。

1分の可能性でイランがないとも言えません。ミサイル開発の断念と革命防衛隊が国外での活動を控えるぐらいのウルトラCがないと無理だとは思いますが、本来はアフガニスタンとイランの関係は無視できるものではありません。

中央アジアのバックでもあり、また中央アジアの国でもあるロシアも重要ですね。東西にシベリア鉄道はありますが、南北のルートが重要であることは間違いなく、ソ連はアフガニスタンに侵攻しています。邪魔する理由はないでしょう。

中央アジアを交通の要衝アフガニスタンを通すことによって、南北にルートを確立します。資源がある北と人口があり発展性があって、海があり更に世界に対する積み出し港にもなり得る南の組み合わせはかなり有望のように思えます。こうした有望に思える構想を示すことによって、アフガニスタンの人自身に自国の安定が重要なのだと認識してもらい、協力してもらうのが狙いです。当事者の協力なしに地域の安定は中々難しく、これまでその協力が中々得られなかったことが問題です。ケシ栽培を生業にしている人々にそれに代わる生業を与えないと中々上手くいきません。

中央アジアに荒涼とした砂漠のイメージはありますが、活況を呈することは可能と思います。モンゴルのゴビ砂漠では実際にえらいことになっているようです(アングル:モンゴル国境で大渋滞、対中国「石炭ブーム」脅かす ロイター 2017年11月18日 / 08:55)。

一帯一路は交通の要衝アフガニスタンが入っていません。ですから、中央アジアの発展を中国はやる気ないかもしれませんね。多分、中央アジアの資源が我々のところにくればいいと思っているだけでしょう。ウイグルの資源は中国に供給するためのものでしかないんでしょう。中国が考えているのはその道を更に延長することだけだと思われます。あるいはチベットの支配を確定してインドに繋ぐとか(ヒマラヤが邪魔であまり経済的なルートとは思えませんが)。

元々自由と繁栄の弧構想もありましたし、安倍政権も然りで日本はわりと中央アジアに注目してきたと思います。南北ルートの開拓は日本にとっても重要でしょう。

アフガニスタンが安定すれば、勿論アメリカを中心にした自由主義諸国にも多大なメリットがあります。安全保障面でもそうですし、企業にとってビジネスチャンスが眠っていることも間違いありません。

※12月9日追記:トルクメニスタンの存在を忘れていました。申し訳ありません。ただ、トルクメニスタンも一帯一路に含まれていませんので、中国が中央アジアに関して自分のところに資源を持ってきたいだけで、ロシアにとってそれほど有利な構想ではないという部分に関しては訂正する必要は感じません。ロシアや中央アジアは資源商売をするなら(それ以外の商売をするにしても)、南北ルートを開拓する必要性があると思います。カスピ海以西を通るルートはありますが、テロの問題など政治情勢が微妙だと思いますし、インドは遠回りになります。トルクメニスタンルートに関しては、筆者はトルクメニスタンを良く知りませんが、トルクメニスタン自体が謎の国として知られていることと、イランがアメリカと敵対していることがネックになると思います。パキスタンとインドが歩み寄りしてロシア・中央アジアが協力してアフガニスタンが安定したらいいなと思っています。政治的に難しいのは分かっていますが、そういう記事ですね。発展するビジョンがないと中々アフガニスタン情勢は落ち着かないだろうと思います。

生活習慣の改善と米

2017-11-18 12:35:18 | 日記
昨日・一昨日と東京に出張で行ってきたのですが、中々勉強になって行って良かったですね。

ただ、一昨日も睡眠不足で頭痛でしたが、昨日も一昨日に飲んだせいか(ビール2杯程度ですが)頭痛が続いて、年を感じましたね。何時までも若い頃の感覚で無茶が効かなくなってきているのかもしれませんね。兎に角疲れました。

そういう訳でちょっと生活習慣を見直すつもりです。暴飲暴食を止めできるだけ睡眠を確保する程度ですが、効果はあるんじゃないかと思います。できればですが。

食事は米とか和食中心にしようかと。白米が必ずしも健康にいいとは思いませんが、どう見てもしつこい食事のとりすぎは健康に良くないですからね。そもそも常飲していませんが、次の日に残るならお酒も控えるべきでしょう(昔は寝たら問題なしだったのですが・・・)。

日本は開闢以来米と共にあります。祭りの起源や宮中祭祀と稲作は関連が深いんですね(図解知識ゼロからのコメ入門参照)。北海道のような稲作不適地(イネはそもそも温暖な地域起源です)にも日本人は苦労しながらもコメを持っていき、北海道を米の一大産地に変えてしまいました。水不足の沖縄でも稲作は減りはしたようですが、続いているようです(何でもサトウキビに転作したとか)。ジャポニカ米(ウィキペディア)の産地はアジアでは日本の他に朝鮮半島、中国東北部、台湾北部なんだそうです。筆者の目には日本の仕業であるようにも見えます。そもそも稲の起源と適地を考えると何故中国東北部?って思いますよね?台湾もいいですが、長江流域ではやらないんでしょうか?中国人が食べているのはジャポニカ米なんだそうです。ちなみに他に海外ではオーストラリアの南東部やアメリカ西海岸、エジプト、イタリアなんだそうです。エジプト?って思いますが、1917年に日本から導入されたとのことで、収益性が高いことから、定着し広がったようです(エジプトにおける稲作をめぐる議論と水利組合強化に対する取組み 国際協力機構(JICA)エジプト水管理改善プロジェクト・フェーズ2 チーフアドバイザー 進藤惣治)。ただ水を使いすぎということで砂漠の国ですから、ちょっと問題になっているみたいですね。

だからという訳ではありませんが、自民党も米作りプロジェクトをやっていますね。

生産性革命に関するビジョン

2017-11-18 12:10:08 | 政策関連メモ
昨日本屋で「RPAの威力」という本を見かけました。興味がある話題ですが、まぁ読む時間がないかなと思って、買ってはいません(何時になったら積み本崩しをできるのか?)。以前ブログで言及したRPAですが、こんな企業が導入しているぞという内容になっています。

低生産性が指摘される日本ですが、生産年齢人口の減少を考慮に入れると、アメリカ以上に生産性を伸ばしているという話もあります。生産性革命を安倍政権がやるなら、Iotなど遅れている有望分野を検討すると共に、再雇用した高齢者の生産性や氷河期中心にドロップアウトしている人の生産性、社会進出が進んでいない女性の生産性を考えないといけないだろうなと思います。

再雇用した高齢者に関しては、急な話だから準備が出来ていないことが要因でしょう。逆ピラミッドの構造で若者の下働きに依存するシステムは維持できないと悟る必要があると思います。氷河期世代は自分でドロップアウトした人もいると思いますが、そうでない人も結果の平等はないと悟らないといけないと思います。戦争があって辛酸を舐めた世代があっても、一々その分の保証なんて有り得ないでしょう?今からでも自分の生活は自分で何とかするよう出来ることをするしかないと思います。女性の社会進出に関しては、筆者は日本独自の転勤慣行の是正がもっとも効くのではないかと指摘してきています。共働きで転勤慣行がある中、生活設計することは不可能だと社会が分からないといけないはずです。転勤慣行の維持=女性はパートという決め付けと見るべきでしょう。全国や海外を飛び回るのは収入が十分な一部のエリートだけでいいのではないでしょうか?

「慰安婦」謀略戦に立ち向かえ!(1)

2017-11-18 10:48:18 | レビュー/感想
「慰安婦」謀略戦に立ち向かえ!(明成社)を一部読みました。

まずはマイケル・ヨン氏ですが、非常に興味深いですね。マイケル・ヨン氏は日本語ブログも開設していますが、筆者は現時点では読んでいません。やっぱりアメリカの人なんで、筆者には内容が良く分からないところがあったんですよね。たまに妙なことを仰いますし。

この本を読むと、発信力のある方だと分かります。フェイスブックで60万人、ツイッターで3万人のフォロワーがいらっしゃるようで、イラクやアフガニスタンなどの戦場で取材報告をしてきたんだそうです。慰安婦問題に関しては謀略性を見抜いた方からの依頼で調査し始めたようですが、20万人の女性を戦時中に拉致するということがいかに非現実的か、すぐに頭にひらめいたとのことです。

気になるのは日本がベンガル人に嫌われているとの指摘です。イギリスがミャンマーを統治する際に、ベンガル人を大量に連れてきて、戦時中イギリスの味方をして、日本と戦ったのだそうです。だから日本のことが嫌いだということで、それは分かるのですが、ミャンマーにベンガル人が住んでいるとは外務省ページやウィキペディアを見たり検索しても(少なくとも上位には)書かれていない訳です。検索して分かるのは、ミャンマーがロヒンギャをベンガル人と呼んでいることだけです。でもロヒンギャ語をウィキペディアで確認すると、ベンガル語と相互理解は難しいと書いています。イギリス統治は1824年から始まりましたから、200年の間に相互理解ができなくなったのでしょうか?参考までにスペイン語とポルトガル語はある程度まで相互理解できるようです。ロヒンギャはバングラディシュ国境に住んでいますから、自然にベンガル人から分かれたようにも思えます。イギリスが連れてきたベンガル人がロヒンギャなら、もっと全国に散らばっているとか、同化しているとかありそうなものですが、良く分かりません。バングラディシュ国境に住まわせて、徴兵したり募兵したりして使役したんでしょうか?複雑な歴史があるんでしょうが、どうも日本語の環境では腑に落ちないところが残ります。なお、ベンガル人の国はバングラディシュですが、親日国だとされます。

映画・本共にベストセラーになったアンブロークンの指摘も面白いですね。作者ローラ・ヒレンブランド女史のテニアン島で5000人の韓国人が日本人によって虐殺されたとの主張ですが、調査の結果そのようなことは無かったと確信したそうです。小さな島で5000人もの虐殺があれば、確たる証拠が残っているはずですが、証明できたら賞金を出すと広告を打ったところ、誰も申し出ていないようです。この広告に多くのアメリカ人は怒ったようです。日本のウィキペディアを参照しましたが、テニアン島の「1944年(昭和19年)6月時点での人口は、日本人15,700名(軍人を除く)、朝鮮人2,700名、チャモロ人26名であった」とのことです。こうした誤解がアメリカやその他世界で広まることは決して日本のためにはなりません。慰安婦問題もそうですが、日本は国連を舞台に何故か人権とか歴史で追及されています。やってもないことの罪を何時まで追及されなければならないんでしょうか?「燃え広がる前に鎮火しないと延焼する」が、日本が学んだ慰安婦問題での手痛い教訓でしょう。

中国が南京虐殺記念館で繰り返し反日を刷り込んでいるという指摘も既知のものですが重要ですね。その影響がどうでるか計り知れないところがあると思います。

ソウル大使館前の慰安婦像前にキャンプがあるそうで、雨の日も風の日も持久戦のようにキャンプを続けているんだそうです。政府が撤去することを怖れている「市民団体」なんでしょうが(文政権も信用されていないんでしょうか?)、韓国の慰安婦像に対する執着は気味悪いものがありますね。明らかに事実じゃないことが多く含まれている訳ですが、これはカルトそのものでしょう。日本に対する憎しみを再生産するカルト以外の何ものでもありません。日本人に対するテロも有り得るのではないかというヨン氏の指摘を笑って聞き流すことは出来ないと思います。カトリックも関与しているとのことです。

アカが保守を名乗る世の中

2017-11-15 07:26:52 | 政治システム・理論
日本では拉致問題の解決を訴える救う会など保守が人権侵害に抵抗してきた歴史があります。チベット虐殺などの深刻な人権侵害を問題視するのも大体保守ですね。勿論欧米の人権擁護団体のような徹底性がある訳でもないでしょうが。

日本の自称リベラル、最近では通りがいいので自称保守に変えたみたいですが、ああいう連中は単なるアカでレッドチームの手先なんですよね。典型的なのが琉球新報ですが、アメリカや日本の悪口ばかり言って、中国の悪行には目を瞑るというのがやり口です。そんなに住民の権利擁護が大切ならば(大切だと思いますが)、中国の支配下に入るのは大変だ!安全保障をやれ!ってなるはずなんですが、どういう脳みその構造をしているのか、そうはなりません。推して知るべしでしょう。

トヤマエビ

2017-11-12 13:41:42 | 日記
保守速報で独島エビはトヤマエビだという指摘が。ソースはTBSで何ものか分かりませんが、韓国人が指摘したようです。良く見つけてくるなと思わなくもありません。

朝鮮日報にはボタンエビと書かれていましたが、トヤマエビなら日本海に多くいるようで(特に富山湾で多く獲れるからトヤマエビだそうです)、ボタンエビ扱いするコメントもあるようですが、ボタンエビとトヤマエビは棲息地に違いがありますから、筆者は区別した方がいいような気はします。また、竹島周辺で獲れたからと言って(それも怪しい気はしますが)、独島エビと名付けて高値で販売するのは一種の詐欺のように見えます。性格が捻じ曲がっている文大統領周辺の左翼活動家の悪ふざけでエビを出したんでしょうね(元慰安婦度に独島エビ…度を越した悪ふざけはもはや切ない 産経ニュース 2017.11.11 11:00)。

トヤマエビ

>トヤマエビ Pandalus hypsinotus はタラバエビ科に分類されるエビの一種である。

>日本海の全域からベーリング海にかけて生息する、寒海深海性のもので、水深100mー200m程度のところに棲む。水深350mまでとしている書物もある。 富山湾で大量に漁獲されるためにこの名がある。

>標準和名としては「トヤマエビ」で、標準和名「ボタンエビ」のPandalus nipponensis とは別だが、一般にはボタンエビとも呼ばれることがある。ほか、「タラバエビ」、「キジエビ」と呼ぶ所もある。

ボタンエビもタラバエビ科タラバエビ属ですが、棲息地が太平洋に限られるようで、種が違うようです。ウィキペディアを信じるならば(出典がありませんが)、トヤマエビは一般にボタンエビと言われることもあるようですが、様々な呼び名もあるようですね。棲息地が違うから、この混同がそれほど問題になっていないのでしょうが、違う種で違う産地のエビを同じ呼び名で呼ぶことが適切とは思いにくいところです。