私がヨーガに惹かれた理由は、その精神性と、長年の頭痛がいつの間
にか治ったこと、体重が2キロ減ったことだった。それからインストラクター
になるための特訓を10カ月受けたが、それは初秋から夏までで、寒い日は
とても辛かった。たとえどんなに雨が降っても、雪の日も、風の日も一日
も休まず、ダンス学校で指導した帰りに、暗い夜道をインストラクターに
なるために、私は一所懸命に通った。
ヨーガは「心、体、呼吸」をコントロールする技法と思っていたが、私が
教えて頂いたのは精神面は全くなく、只沢山のポーズのみだった。
そのため、少々疑問を抱くようになり、自分なりに色々本を読んだり
して勉強していた。そして指導することが決まったが、その指導法は
「個人別指導」で、入会時に00が悪い、00を改善したいのかと聞かれ
それに応じたポーズをノートに書いて、それを先生に見せて、そのポーズ
を指導して頂く。
インド人の厳しい顔をした先生に指導して頂くのは、初めは大変怖かった。
ポーズ名は全てサンスクリット語で、挨拶してから「00のポーズ何カウント」
と指示される。そこはメトロノームが動いていて、自分で数えながら指示さ
れたポーズをキープする方法だった。ポーズの間にはリラックスもあったが
「リラック00カウント」と指示されたが、目の前にはインド人の先生がいて
じっと見ている、とてもリラックスした気分にはなれなかった。
つまり集中は体ではなく、メトロノームなので、それが私にはどうしても
理解できなかった。