今月は昨年見逃した映画を観られる機会に、恵まれているようです
しかも無料で。。。
先週土曜日は「おいしいコーヒーの真実」
来週土曜日は「いのちの食べ方」
どちらも昨年公開の映画だし今更だけど、こういうコアな映画は決して流行りモノじゃないし、現状を「知る」ことに意味があるのと思うのです。
市民プラザなどで上映することがあるようなので、観ていない方は機会があれば是非
先週の「おいしいコーヒーの真実」は、逗子市の文化プラザでの国際理解講座として“あなたが支払ったコーヒー代はどこに行く?”という講演会とセットでした。
価値観を共にする、会社の同僚と行きました。映画の内容(観た方はスルーで
)
この映画は、コーヒー原産国エチオピアで、貧困に苦しむコーヒー豆農家を救おうと公正な取引を求めて奔走する、一人の男の活動を追うドキュメンタリーです。
世界で1日約20億杯が消費されているというコーヒー。
でも、私達が店で飲むコーヒーが330円だとすると、栽培農家の取り分は1~3%の3円~9円。
農家は自分たちで販売価格を決定できません。
コーヒーの価格は国際コーヒー協会(協定?)が調整していましたが、1989年に破綻し、現在ではニューヨークの取引市場で左右されます。
市場は4つの大企業※が独占し、価格を支配しています。
これらを含む流通業者・焙煎業者・小売業者の取り分が99~97%を占めていて、要するに生産国はコーヒー豆を安く買い叩かれている。
コーヒー豆農家はこんな状態では生活できず、学校も建てられない。そもそも食糧自体が不足し、毎年700万人が緊急食糧援助を受けています。
映像は、コーヒーを消費する欧米諸国と原産地エチオピアの生活を、交互に映し出します。
スターバックスで店長になって喜ぶ女性、競技大会で自信満々のバリスタ、パリの優雅なカフェタイム・・
そして1日0.5ドルの報酬で黙々とコーヒー豆の選別?をする働く女性達、農作業は靴を買えずに裸足ですると言う・・
コーヒー豆を栽培・製造する人と、コーヒーを楽しむ・消費する人はまるで別世界の人でした。
そんなエチオピアの貧しい様子や、学校建設のための資金集めと、流通業者を通さずに販路を開く、公正な取引の実現に向けて奮闘する男の映像が続きます。
後半は、カンクンで開催された先進国の論理だけで進行される^^;WTO(世界貿易機関)会議が映し出されます。
自分らに有利な、世界市場の拡大・競争論理の導入(=利益の増加)を主張する先進国の代表。
そして生産国は公正な取引を求めるものの、ろくに発言権も与えられません。
最後はエチオピアに人道支援として送られる「USA ナントカ」と書かれた麻袋?に詰めこまれた穀物の映像。
明確な解決策は示さない映画でしたが、
「我々は援助ではなく、公正な貿易取引を求めているんだ」
会議でのマラウイ代表のこの一言が、この映画のメッセージのような気がします。
アフリカの輸出シェアが1パーセント増えれば、年間700億ドルを創り出すことができ、しかも援助を受けている金額の5倍を超えるそうです。
貧困を解決に導くのは、寄付でも援助でもなく公正な貿易。
流通量が変わればも市場も動く。
私達にも出来るコトがあるかもしれない。
コーヒーを飲む時に、コーヒー原産国の生産者の窮状を思ってみよう。
そして講演会では「消費者」ではなく「選択者」という言葉が出てきました。
そして選択者として、フェアトレードコーヒー(コーヒーに限らないけど今回の主旨なので)を選んでみること。
ひとりひとりの一票が市場を動かすかもしれない。
ちなみに↑※の、世界のコーヒー豆市場を動かす4つの大企業とは、クラフトフーズ・P&G・ネスレ・サラ・リー。
そして販売店代表として挙げられるのが、スターバックス。
(以上5社は取材協力に応じなかったとして、映画の最後に明かされる)
この作品は2006年公開作品で、アメリカではプレミア上映をした直後から反響が大きく、上記の主要企業には消費者からの投書や嘆願が相次いだそうです。
そして、その影響でスターバックスは、06年度よりコーヒー豆を「プレミア価格」で買うことを決めたらしい。
ポーズだ、という意見もあるが・・・
消費者が企業を動かしたことは事実。。。
☆参考☆
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