ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オニール作「夜への長い旅路」

2015-11-03 10:20:43 | 芝居
9月22日シアタートラムで、オニール作「夜への長い旅路」をみた(台本:木内宏昌、演出:熊林弘高)。

20世紀アメリカが生んだ偉大な劇作家でありノーベル賞作家でもあるユージン・オニール。
本作品は彼の死後発表され4度目のピューリツァー賞受賞。作家自身の凄まじい家族関係を描き、演劇史上最高の自伝劇と言われる。

過去の辛い出来事から抜け出せないメアリーと、かつて有名なシェイクスピア俳優だった夫ジェイムス、自堕落な生活を送る長男ジェイミーと
病弱な次男エドマンド(ユージン自身)。家族4人の長い旅路の果て、彼らがたどり着く先に待っていたものは…。(チラシより)

重苦しい!ただひたすら…。全く知らない話だったので、筋を追う、と言うか、この家族の歴史が4人の口から怒涛のように語られるのを
聞きながら、起こった出来事を時系列に沿って把握するのがなかなか大変だった。

まず、エドマンドが手紙を朗読する。妻に当てた手紙だ。そこには「結婚12年になる」という言葉がある。だがそれがその後の話の展開と
どう関わるのか全く分からない。
メアリー(麻美れい)は夫(益岡徹)と結婚直後、夫が彼の愛人に訴えられたため、友人たちに憐れまれ、孤立し、麻薬中毒になってしまう。
ジェイミー(田中圭)は秀才の誉れ高かったが、酒に溺れ学校を退学。今は一応役者だが、毎日ぶらぶらしている。
エドマンド(満島真之介)は新聞記者だったが、辞めて実家に戻っている。虚弱で咳をしており、後に結核と判明する。
実は二人の間にもう一人ユージン(!)という名の男の子がいたが、赤ん坊の時ジェイミーのはしかがうつって死んでいた。
父は家族からケチと非難されている。人に勧められるまま土地を次々に買うのが趣味?で、その反面、家族の医者代をケチり、妻も息子も
1回1ドルの安い医者にしかかからせない。

配役に問題あり。みな熱演ではあるが、田中圭はとても長男には見えず、むしろ満島真之介の方が大柄で落ち着いていて長男ぽいのだ。
途中でセリフからやっと二人の関係が判明したが。

愛と憎悪が渦巻くこの家族の物語に引き込まれ、ひたすら疲れた。
コメント
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