この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「あなたになら言える秘密のこと」

2007-02-13 10:36:25 | 最近見た映画
 2007年2月12日  [TOHOシネマ二条]

 前半は何も語らず、何もわからないままに進み、この話どうなってんだろうとしびれを切らすが、後半ようやくその意味がわかる。

 工場で周りの人とも会話もせず、昼の食事も簡単な弁当だけで休暇も取らずただ時間を消化するように淡々と働く女性。ある日、工場長に呼ばれる。首を切られる覚悟で話をきくと休暇を取れといわれる。休みも取らず働き続ける姿に組合も異議をとなえているという。
 無理に取らされた休暇の旅先で看護師の求人に遭遇する。行った先は陸から孤絶した海上設けられたの石油採掘基地。そこでの瀕死の重傷を負った患者との出会いで人生が少しづつ変わっていく。

 一方は、人為的な事故-ある意味では自分の範疇での-自分の意志の届く範囲の事故からの傷であるのに対し、少女の《傷》はふりかかった災難である。それも自然災害とは違って、人為的ではあるが、己の手の届かぬ自分の意志ではどうにもならないところで起きた事件に巻き込まれたのだ。
 人の起こした悪魔のような仕業に巻き込まれて深い傷を負ったのだからこそ、もっと掘り下げて描写してほしかった。天災に出くわしたのと同列の、背景を省いたシナリオに若干の不満が残る。

 とはいえ、しみじみと感じ入るいい映画だった。その晩、折しもTVで「イングリッシュ・ペイシェント」を見たが、2つの映画の印象が重なり合って戦争という人間最大の愚行の意味を考えてしまった。

 スペインは経済活動から見ると日本よりも後進国で、先進7カ国にも入っていないから日本の方が豊かなような印象を持っている人がいると思うが、映画を見るたびにスペインの方が経済的にもより人間的で、より豊かであると感じるし、遙かに文化的な生活を送っていると思う。

 経済的な富を、どこに使うのか、何に配分するのか、どのような人に配分するのか-日本は真剣に考えないといけない。


   「あなたになら言える秘密のこと」-公式サイト

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