この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

最近観た映画-「悪人」と関連して、押尾事件と看護師爪切り事件

2010-09-17 00:28:58 | 雑感
「悪人」はよくできた映画で観るものを引きつけたが、ストーリーは世間に良くありそうな話で、特に新鮮さは感じなかったが、人物描写と共に犯行に至る状況描写がリアルであったから、はっとさせられるところがあった。

 それはというと、人気のない峠道で増尾に車から放り出された石橋佳乃(満島ひかり)が後を追ってきて救いの手を差しのべた清水祐一(妻夫木聡)に浴びせた言葉が本当だとしたら、10人中何人が冷静でいられるだろうが、と思う。もし、そのまま引き下がったら、後日、自分の潔白をどうしたら証明できるか悩んでしまうに違いない。


 映画を見ている観客には、これが真実だという状況を見せられているから、そのあとに展開される筋書きに対し、善悪の判断が一定下せる。

 しかし「裁判員裁判」の裁判員にはそんな「事実経過」は分からない。どんな心境で、どんな言葉が発せられ、どういう行動を取った結果、そのような事態に及んだのかなど想像するしかない。検察側と弁護側で全く違った見解を述べる。どちらが本当か。

 
 マスコミで、映画の様な「これが真実の実況中継だ!」みたいな報道をされたら、いっぺんに世の中の感情はそれに誘導されてしまう。
 松本サリン事件の時はみんな騙された。(私も。だから、このあいだの河野さんの「妻の追悼コンサート」は感銘した。)

 (「映画のような」と言ったが、黒澤明の「羅生門」は、全く違う状況展開を描いて見せ、「何が真実かわからない」不条理の世界をえがいてみせて、ベネチア映画祭でグランプリを取った。)
   映画「羅生門」の関連記事のサイト



 ことが鈴木宗男の裁判ならわかりやすいのだが、「押尾事件」では医師の鑑定も大事だが、「救命措置を講じた」という被告の言葉をどこまで真実かどうかを判断するのが最大のポイントに思える。
 

「看護師爪切り事件」は今日、判決が出た。
「そうであって欲しい」という期待も含めて、希望が持てる判断に思えた。
 お年寄りの爪を切っていて、血が出たから、即逮捕というのはどう考えてもおかしいと思うのだが、ここまでこじれるのはどうしてかと思う。


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