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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

2014年5月25日、『台高・白髭岳』-天気が良さそうなので急遽、前夜思い立ち車で吉野方面へ

2014-06-01 10:02:27 | 山・旅行
                                         【 青空に映える「白髭岳」】

      【2014年5月25日(日曜日)】

 前日、気象予報を見ていたら天気が良さそうなのと、たまたま翌日が休みだったので、急遽かねてから行きたいと思っていた台高山地の『白髭岳』に向かうことにする。いつも夏山に行動を共にするさんを誘ってみたが、電話を入れた前日のその晩が「飲み会」真っ最中で、アルコールも入り、帰りも遅くなりそうなので早朝出発の今回の同行は無理と言うことだった。それもそうだ、急に思い立っても、こちらの都合よく行くわけもない。

 紀伊半島の付け根、吉野を超えて大台ヶ原に向かう途中の川上村柏木というころから山道を東に入り、5キロほどのところに『白髭岳』はある。京都から奈良県のこの辺りに行くのは毎回思うのだが、道路事情が悪い。直線コースをとれば京都から南に下がり奈良を通って天理、橿原を抜け明日香から吉野に入るのだが、途中の天理から橿原(大和八木)を抜けるのが大変なのだ。一車線の国道は地方の繁華街を縫うように通り、やたらに信号が多く、いつもウンザリさせられる。

 だから今回も、大回りになるが名神で大阪を回り近畿中央道を松原まで行き、そこから大きく東に転回して明日香村に出るコースをとる。高速で1.5倍ほどの距離を走り、短縮できる時間は30分にもならないのだが、渋滞なく飛ばせる分だけ精神衛生上いい。


                          


 《遅くとも9時前には登山口につかないといけない》-前夜そんな計算をして、明朝は4時半には起きて5時に出発する心づもりで12時前に床につく。

 ほぼ予定通り、10分遅れの5時15分に出発。50分に南インターから名神に入り、松原を周り川上村に8時前に着く。途中コンビニで食料を購入したが、先を急ぐあまり朝食分しかかわず、またどこかで買えばいいと思っているうち吉野を過ぎて山道に入ったら店がなく、そのまま林道に入ってしまった。


          
                            【林業の作業場のような敷地に突き当たり、そこで完全に途絶えた道】


 登山口に8時10分に到着。

 林道は、『もうこの先ありませんよ』と言わんばかりに完全に行き止まりである。車を走らせながら食べたおにぎりの朝食は2つともなくなっていたが、非常食の持ち合わせもあるし水も2リットルあるから、別に心配することもないと思い、身支度を調え、8時30分早速登山道にかかる。


                       


 それにしても、何とも不親切な登山道だと思う。案内板もなければ標識のたぐいも一切ない。だいたい、登山道の入り口くらいにそれらしきものがあっていいのに、何もないので、【川上村は何をケチっているのか】と憤慨していた。
 踏跡が不鮮明になりどちらに行ったらよいのか迷う場面に何度も行き当たったが、そこにも目印のようなものは何もない。



                                                 


 どう考えても《おかしい》と感じたのは、谷に沿った荒れた山道を戻れないくらい上がってきた時だった。人の通っていない道は、岩も木々ももろい。足をかけ体重をかけようと思ったらもろく割れ目から崩れ落ちる。つかんだ枝は完全に枯れていてあっさりと折れる。足下の土は蟻地獄の砂のようずれ落ちる。4本の手足のうちの1つを動かそうと思ってあたりを見回すが適当なものがなく4、5分動けずに踏ん張っていた何度もあった。あのルートを下るのは登るよりも厳しいと感じた。
 どこでルートを間違えたのか、これは正規の登山道ではないと悟ったが、そこまで来たら上に上がるしかない。尾根を目差せば必ず本来の道に合流するはずだ。高度計を見ると1000mを越えているから、多少の誤差を考えてももうしばらく行けば尾根に出るはずだ。「白髭岳」の頂上らしき姿も木々の間から望めるので悲観は全くしていなかった。


         


 しかし進路の行く先はますます傾斜を増していく。1メートル進んでは3メートルずるずると後退し改めて挑戦する。身を支える手がかりが見あたらず急斜面に立ち止まる。そんなことを繰り返したあと高度も1100mをだいぶ超えたと思われる時、上方に柵のような人工物が見える。やっと、尾根道に出たと思った。時計は11時を回っていた。本来なら頂上に立っていてもいい時間だ。
 
                                                 


 やっとの思いでそこにたどり着いてみると、それは登山道に設けられた柵ではなく、森林作業員は乗るトロッコのようなものを走らせる単線の森林軌道だった。
そのレールはうねりながらずっと上方に延びている。
 「これをたどっていけば、いずれ頂上に行き着ける」と思うと安心した。それに、頼りない木の枝よりしっかりした確実な支えとなる。


                  
                  【急俊なやせ尾根を頂上に向かって延びる森林軌道-その向こうには頂上らしき峰が見える】

 
 そこまで登ってきてしまったが、実はそもそもの登山開始の時点から間違っていたのだ。そのことに気がついたのは、その時でなく、頂上に立って下山を開始し、標識の整った登山道を『小白髭』まで下ってきたときだった。
 いずれ、登ってきた森林軌道と交差すると思っていたのが、なかなか交差しない。《どうもおかしい-登ってきた道と下山路がだいぶはなれていて、まるで違う》それを確信したのは、きちんと整備された登山道を【「東谷出合」まで0.4km】の《林道の終点》という地点まで来た時だ。そして「東谷出合」に着いて目の前を通る道路を見たとき、自分の車はここからアスファルトで舗装された谷道を3km近く逆登った地点に停めてあることを悟ったのだった。ああ、なんということか!


                           


 本来の登山道と出会ったのは、森林軌道の終端にきてもう頂上も近いと思われる坂を100mほど登ったところだった。(上の地図でいうと、「1242mピーク」と「白髭岳」頂上の中間地点の自然林の文字があるあたりだと思う。


                 
                     【ようやく、本来の登山道に合流】

 あとは、はやる気を押さえて頂上へ。


                   
                           【頂上直下から南方面の眺め】
                                            
                                                           【直下のやせ尾根の急登】           
                          
                                       【最後の登り-見た目より急だ】


                             
                                              【「白髭岳」頂上広場 】


       

                                
                                 【大普賢岳方面拡大写真-背後に近畿最高峰の「八経ヶ岳」が見える】



                           【つづく】





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