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【アルベロベッロ、静かな住宅地のアイア・ピッコラ地区の街並み】
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【イタリア南部-ローマは左上枠外】
ベスビオ山を左の車窓に見ながらナポリを離れる。目指すマテーラはナポリからほぼ真東へ300キロほどの道のり。
サレルノをかすめて、ポテンザに通じる山間の道を道をバスは飛ばす。雪を頂いた1200~1300mの山を縫うように道が伸びている。
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2時間ほどでポテンザに到着。そこでトイレ休憩を取る。話に聞くと3~4日前に寒波が押し寄せ何年ぶりかの大雪が振ったそうだ。バスの中も外も、山々の雪景色を見るほど寒くはない。
ポテンザあたりから山はなだらかになりゆったりとした丘陵地帯に変わる。オリーブの木がそこいら中にあり、その畑の向かうに丘が連なり、その一番高い遠くの景色に白い建物が密集し、街をつくっているようだ。いかにも外国の絵本に出てきそうな風景だ。
1つの丘を越え別の谷に出て川を渡ると、「マテーラにもう少しで到着します。」のアナウンス。
バスを丸い城のある丘のすぐ近くに停め、そこから歩いて旧市街のサッシ地区に向かう。国道を渡り新市街地の坂道を降り数百メートル行くと広場があり、その先のテラスに進むと、目の前に谷間に広がった洞窟住居群の景色が飛び込んできた。
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【マテーラ・サッシ地区中心部】
その景色の前で、皆それぞれに歓声をあげながら記念写真を撮る。前日の食事時に席を同じくして知り合った、G大の『卒業記念旅行組』はとびきり元気である。
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【とびきり元気な4人組】
記念撮影が終わると、サッシ(洞窟住居)地区の探検である。地形に添って迷路のようにつけられた階段の通路を降りていく。
水道も電気もないサッシには戦後も貧しい人々が暮らしていたそうだが、政策により多くの人が郊外に建てられた新しい住居に移っていき、多くは抜け殻である。
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【自然の岩を刳り貫いた洞窟教会】
岩を刳り貫いた教会があったが、その他は倉庫になったり店として一部が使われているだけで、現在はほとんど使われていないようで入口には鍵がかけられている。
洞窟住居跡のひとつが改装され展示室として解放されていたので、中に入る。
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【洞窟住居内部】
中に入ると意外と広く、様々な工夫がなされていた。家の中に井戸も排水路もあるのには驚いた。
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【マテーラの街角】
渓谷の見えるところまで行き、途中、教会に立ち寄り、また階段を上って元の広場に戻る。
良い天気に誘われたのか、広場ではお年寄りが何やらゆっくりした時間をくつろいでいた。
日本でこういう風景はあったかなと、ふと思う。-女性同士はあっても男同士ではあまり見かけないかと思う。
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【マテーラの広場で】
昼食は、狭い階段を降りた洞窟住居跡に作られたレストランでとった。
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【洞窟住居のレストランにて】
ここの昼食はそれまでで最高だった。「なすのソテー」が出たときはようやく野菜系にありつけたとほっとした。ワイン・ハーフボトル、6ユーロを注文。
城のあるバスの駐車場までもどり、一路アルベロベッロへ出発。
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【アルベロベッロに向かうバス車中】
アルベロべッロの街にはいるとバスは一旦、ホテルに寄りそこで我々をおろし、チックインした後に、皆で歩いて『トゥルッリ』という三角屋根の住居の密集した地区まで行く。
トゥルッリのある地区は現在も住宅地の「アイア・ピッコラ地区」と観光店の多い「モンティ地区」に別れており、最初はホテルから近い「アイア・ピッコラ地区」に向かう。
何件か売りに出ていると話をしていたが、値段の方は比較的小さい方でも数千万円ということだ。とても手が出ない。
【アルベロベッロの日本人の土産物屋近辺】
太い道路を渡って「モンティ地区」に入る。こちらはかなり観光化されている。
辻を何回か折れて坂を下っていくと日本人の声がする。
「・・HNKにも紹介されたんですが、ご覧になりました?・・・」
声の主をたどると確かに日本人である。商魂たくましいと思っていたら、日本から遠く離れたこの地で苦労をしているらしい。
一行の誰かが、「いつ日本に帰るの?」「日本に何年帰っていないの?」と話をしているのを聞いた。
『男はつらいよ!』の寅さんシリーズで、寅さんがふらっと訪れたウィーンが舞台となっていて、竹下景子が現地のガイド役で出ている話を思い出した。
これまた訳あって、ウィーンに住み着いている“保護者”役の淡路恵子が、何かと世話を焼き、竹下景子役の身を案ずる姿とだぶった。
誘われて店内にはいると確かにそれまでの店よりだいぶ安かったので、ここの店で土産をだいぶ買い込んでしまった。
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【アルベロベッロ・観光店の並ぶモンティ地区】
店を出た後、自由時間で小さな街をうろうろする。あまり遠くへ行っても迷うといけないので、近くのバールに入る。店内は薄暗く地元の男性がひとりとバーテンだーのような男がひとりだけだったのでよっぽど出ようかと思ったが、愛想が良かったのでコーヒーを注文する。こちらで普通「コーヒー(カフェ)」というとエスプレッソが出てくるということは聞いていたから、「アメリカン」とか「カフェ・コン・ラテ」とか言うのだが、コーヒー牛乳のようなものだったり、薄くてコーヒーの香りのしないものが出たりと、思い通りのコーヒーが飲めなかったが、ここのコーヒーは絶品だった。勢いで2杯注文してしまった。あまりおいしかったので、チップを置いて「タントタント、ブォーノ。グラッツェ!」と愛想を振りまくと、向こうも思い切り笑顔を作って応えてくれた。ウチの妻は、それが「すごくかわいかった。」と。
帰り道は、ホテルまでの道のりを各自、かってに帰る。
【つづく】
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「南イタリア旅行記-その5」(つづき)へジャンプ
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【イタリア南部-ローマは左上枠外】
ベスビオ山を左の車窓に見ながらナポリを離れる。目指すマテーラはナポリからほぼ真東へ300キロほどの道のり。
サレルノをかすめて、ポテンザに通じる山間の道を道をバスは飛ばす。雪を頂いた1200~1300mの山を縫うように道が伸びている。
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2時間ほどでポテンザに到着。そこでトイレ休憩を取る。話に聞くと3~4日前に寒波が押し寄せ何年ぶりかの大雪が振ったそうだ。バスの中も外も、山々の雪景色を見るほど寒くはない。
ポテンザあたりから山はなだらかになりゆったりとした丘陵地帯に変わる。オリーブの木がそこいら中にあり、その畑の向かうに丘が連なり、その一番高い遠くの景色に白い建物が密集し、街をつくっているようだ。いかにも外国の絵本に出てきそうな風景だ。
1つの丘を越え別の谷に出て川を渡ると、「マテーラにもう少しで到着します。」のアナウンス。
バスを丸い城のある丘のすぐ近くに停め、そこから歩いて旧市街のサッシ地区に向かう。国道を渡り新市街地の坂道を降り数百メートル行くと広場があり、その先のテラスに進むと、目の前に谷間に広がった洞窟住居群の景色が飛び込んできた。
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【マテーラ・サッシ地区中心部】
その景色の前で、皆それぞれに歓声をあげながら記念写真を撮る。前日の食事時に席を同じくして知り合った、G大の『卒業記念旅行組』はとびきり元気である。
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【とびきり元気な4人組】
記念撮影が終わると、サッシ(洞窟住居)地区の探検である。地形に添って迷路のようにつけられた階段の通路を降りていく。
水道も電気もないサッシには戦後も貧しい人々が暮らしていたそうだが、政策により多くの人が郊外に建てられた新しい住居に移っていき、多くは抜け殻である。
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【自然の岩を刳り貫いた洞窟教会】
岩を刳り貫いた教会があったが、その他は倉庫になったり店として一部が使われているだけで、現在はほとんど使われていないようで入口には鍵がかけられている。
洞窟住居跡のひとつが改装され展示室として解放されていたので、中に入る。
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【洞窟住居内部】
中に入ると意外と広く、様々な工夫がなされていた。家の中に井戸も排水路もあるのには驚いた。
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【マテーラの街角】
渓谷の見えるところまで行き、途中、教会に立ち寄り、また階段を上って元の広場に戻る。
良い天気に誘われたのか、広場ではお年寄りが何やらゆっくりした時間をくつろいでいた。
日本でこういう風景はあったかなと、ふと思う。-女性同士はあっても男同士ではあまり見かけないかと思う。
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【マテーラの広場で】
昼食は、狭い階段を降りた洞窟住居跡に作られたレストランでとった。
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【洞窟住居のレストランにて】
ここの昼食はそれまでで最高だった。「なすのソテー」が出たときはようやく野菜系にありつけたとほっとした。ワイン・ハーフボトル、6ユーロを注文。
城のあるバスの駐車場までもどり、一路アルベロベッロへ出発。
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【アルベロベッロに向かうバス車中】
アルベロべッロの街にはいるとバスは一旦、ホテルに寄りそこで我々をおろし、チックインした後に、皆で歩いて『トゥルッリ』という三角屋根の住居の密集した地区まで行く。
トゥルッリのある地区は現在も住宅地の「アイア・ピッコラ地区」と観光店の多い「モンティ地区」に別れており、最初はホテルから近い「アイア・ピッコラ地区」に向かう。
何件か売りに出ていると話をしていたが、値段の方は比較的小さい方でも数千万円ということだ。とても手が出ない。
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【アルベロベッロの日本人の土産物屋近辺】
太い道路を渡って「モンティ地区」に入る。こちらはかなり観光化されている。
辻を何回か折れて坂を下っていくと日本人の声がする。
「・・HNKにも紹介されたんですが、ご覧になりました?・・・」
声の主をたどると確かに日本人である。商魂たくましいと思っていたら、日本から遠く離れたこの地で苦労をしているらしい。
一行の誰かが、「いつ日本に帰るの?」「日本に何年帰っていないの?」と話をしているのを聞いた。
『男はつらいよ!』の寅さんシリーズで、寅さんがふらっと訪れたウィーンが舞台となっていて、竹下景子が現地のガイド役で出ている話を思い出した。
これまた訳あって、ウィーンに住み着いている“保護者”役の淡路恵子が、何かと世話を焼き、竹下景子役の身を案ずる姿とだぶった。
誘われて店内にはいると確かにそれまでの店よりだいぶ安かったので、ここの店で土産をだいぶ買い込んでしまった。
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【アルベロベッロ・観光店の並ぶモンティ地区】
店を出た後、自由時間で小さな街をうろうろする。あまり遠くへ行っても迷うといけないので、近くのバールに入る。店内は薄暗く地元の男性がひとりとバーテンだーのような男がひとりだけだったのでよっぽど出ようかと思ったが、愛想が良かったのでコーヒーを注文する。こちらで普通「コーヒー(カフェ)」というとエスプレッソが出てくるということは聞いていたから、「アメリカン」とか「カフェ・コン・ラテ」とか言うのだが、コーヒー牛乳のようなものだったり、薄くてコーヒーの香りのしないものが出たりと、思い通りのコーヒーが飲めなかったが、ここのコーヒーは絶品だった。勢いで2杯注文してしまった。あまりおいしかったので、チップを置いて「タントタント、ブォーノ。グラッツェ!」と愛想を振りまくと、向こうも思い切り笑顔を作って応えてくれた。ウチの妻は、それが「すごくかわいかった。」と。
帰り道は、ホテルまでの道のりを各自、かってに帰る。
【つづく】
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私もギリシアでコーヒーと注文すると、おちょこのようなコーヒーカップに、原液!!というほど濃いものがでできて失敗したことを思い出しました。
外国に行くと国内では経験できないいろいろなことを体験できますね。
つづきをがんばって書きますので、また見てください。
同じ所に行っても 視点が変って興味深く拝見させて頂きました。
私のHPは写真が多いですが
また お暇な時にご覧下さいね。http://www.88to.net/index.php?blg=686
私も頑張って 続きを完成させますね。
また 観覧させて頂きます。
早速、そちらのブログも観させていただきました。かなり凝っていますね。写真がきれいです。
つづき、最後までがんばって書く予定です。