遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

亀鳴く

2020-03-24 15:30:33 | 日記

令和2年3月24日(火)

亀鳴く

春の夕暮れの頃、雄亀が雌亀を慕って鳴くと

いうが、、、、、実際は鳴かない。

俳人夏木いつきさんの「絶滅寸前季語辞典」

に「亀鳴く」が春の季語に在る。

「一般人(私ヤギ爺も)は、こんな季語が

ある事に驚くが、俳人の間ではまだまだ現役

バリバリの季語。春の暮れのぽわーんとした

空気を思えば、亀も鳴きそうな気配。

こんな発想が出来るのが俳人なのさー、、、

と思っていたら、何とこれは和歌から発生

した季語だというではないか、、、、、」

古くから季題として定着しているのは、

藤原為家の題詠歌の「河ごしのみちのなかぢ

のゆふやみになにぞときけば亀ぞ鳴くなる」

(夫木和歌抄)に因るといわれる。

春の夕暮れの感じと相俟って俳人に好まれる

季語である。

さて、実際亀は鳴かない様であるが、、、、

名古屋港水族館に付随して「亀類繁殖研究

施設」が在り、ここではウミガメの繁殖、

飼育をする施設がある。

水族館の外部に在り、入場は無料である。

此処では飼育員さん等が、産卵から始め

日夜亀の飼育、研究をされている。

飼育員さんに直接聞いた話ではないが、、

亀には声を出すための「声帯」が無いので

基本的には声を出して鳴く事は出来ないが、

亀は呼吸をするときに、鼻から気管支へ

空気が出入りして、音がでる。

亦、硬い口ばしをこすり合わせて音を発する

という。

例えば、人が亀を持ち上げたりした時に相手

を威嚇する様に「シュー、シュー」「シャー

シャー」と音を出す。

飼育されている亀が、餌を要求するときには

「キュー、キュー」と音を出すという。

亦、驚いた時には「キャッ、キャッ」と、

「グエッ、グエッ」「グワアッ」は、ゲップ

をする時で、まるで人間と同じようである。

水族館の亀は、結構色々な音を出している

ようで、、、、驚きである。

今日の1句(俳人の名句)

亀鳴くを聞きたくて長生きをせり    桂 信子