遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

吾亦紅

2020-09-05 16:02:28 | 日記

令和2年9月5日(土)

吾亦紅 : われもこう、我木紅

山野に自生するバラ科の多年草、草丈60~90Cm

日当たりの多い場所に多く見られる。

9月頃、上部で枝分かれした枝先に暗紅紫色の花弁の無い

無数の小花を、円筒状の直立した穂状花序をつける。

果実も同色で、何時までも乾いた実を付けているのが、

哀れで興味深い。晴天に揺れる姿は気儘で寂し気である。

地下茎は短く肥大化する。 茎は直立し上部で分枝する。

根出葉は長い葉柄があり、小葉は長楕円形をして、細かい

鋸歯がある。

性質は強く、どんな土壌にも育ち繁殖する。

若葉は食用にもなり、根は吐血剤、収斂(収縮)剤となる。

漢方薬として、根茎から茎や細根を取り除いて水洗いして

天日乾燥をして調整。これを「地楡」(ちゆ)という。

これに水を加え煎じ薬として服用する。

扁桃腺炎、口内炎等に効能があると言われる。

「我木紅」はキク科の植物で、「線香」の原料にもなる「木香」

と似た香りを連想させ「我が国の木香」という意味に取られ

るが、実際に「吾亦紅」からは余り香りはしない。

 

吾亦紅 : 2007年(平成19年)の流行歌

作詞:ちあき哲也、作曲:杉本真人、歌:杉本真人

マッチを擦れば おろしが吹いて

線香がやけに つき難(にく)い

さらさら揺れる 吾亦紅

ふと あなたの吐息のようで、、

盆の休みに 帰れなかった

俺の杜撰(ずさん)さ 嘆いているか

あなたにあなたに 謝りたくて

仕事に名を借りた ご無沙汰

あなたにあなたに 謝りたくて

山裾の秋 ひとり会いに来た

ただあなたに 謝りたくて

、、、、、、、、、、、、、、、、、

この唄は、母を亡くして落胆している杉本真人へ、

友人の作詞家、ちあき哲也(彼も数年前に母を亡くす)

が「吾亦紅」の詞を送り、作曲を依頼した。

杉本に「これは何と読む、?」と尋ねられ、ちあきは

「われもこう」と植物の名と由来を説明、、、、

杉本真人は、作曲をし、自らこの曲を歌った。

当初は、レコード会社もあまり売れないだろうと

期待しなかった。 或る日、札幌でミニコンサートを

開き、曳き語りを、、、このメロデイを聞いた客の間

から、すすり泣きが聞こえ、、、 これを北海道STV

ラジオの放送が話題となり、徐々に全国へ広まった。

この年(2007年)の12月には演歌・歌謡チャート

で15週連続1位、年末の「紅白歌合戦」に初出場した。

この吾亦紅(植物)の山野で揺れる寂し気な姿が、この

歌の詞とメロデイが、見事にマッチし、涙を誘う、、、

この年(2007年)、9月12日に安倍総理が健康上を

理由(潰瘍性大腸炎辞任)で辞任した。昨年(2006年)

第一次安倍内閣発足以来、閣僚の相次ぐ不正発覚で退任が

相次ぎ、2007年7月の参議院選挙で自民・公明が大敗

民主党が大幅に当選し、参議院の第一党となり「衆参の

ねじれ国会」を招き、、、8月第一次安倍改造内閣を発足

するも、僅か1カ月で退陣する事となった。

今年も同様に、長期政権も失政が続き耐えきれず、自らの

健康上の理由(潰瘍性大腸炎)で辞任されたが、、、、?

 

今日の1句

吾亦紅我とて寂し夕間暮れ     ヤギ爺