遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

重 陽

2020-09-09 16:29:13 | 日記

令和2年9月9日(水)

重 陽 : 菊の節句、菊の酒

陰暦九月九日の節句の事  元は中国の行事。

九は陽数で、九を重ねることから「重陽」「重九」という。

菊を特にこの日の花として「菊の節供」「菊の日」等と

いう。 「今日の菊」はこの日の菊。

この日に長寿を祝って飲む酒が「菊の酒」

正月元旦、三月三日、五月五日、七月七日と伴に五節句と

いう。

日本では平安時代の初めに、「重陽の宴」が開かれ、臣下

に「菊の酒」を賜る宮中儀礼となった。

江戸時代になると、五節供の中で最も公的な性質を備えた

行事となり、武家社会ではこの日、菊の花を酒に浸して

飲み祝う様になった。

民間では九月九日を別の意味で考えららえた。

東北地方では九月九日、十九日、二十九日」を「三九日」

(さんくにち)と、中部地方では(みくにび)といい、

夫々を農事に関わる祝賀行事が行われた。

その三度の九の日を、秋田地方では「刈上げの節供」とし、

亦、「みくにち節供」いい、「みくにち茄子」と云って、

茄子を食べる地方もある。

九日は重陽によるものとも、供日を九日に当てたものとも

思われる。

「和漢朗詠集」に「菊は重陽の為に、雨を冒して開く」と

あり、古歌に「凡河内躬恒」(おおしこうちのみつね)の

「長月の九日ごとに摘む菊の花もかひなく老いにけるかな」

(拾遺集)などがある。

 

今日の1句(俳人の名句)

菊の花にくらがり登る節句かな     松尾 芭蕉

「五節供の他の四つの節供より一般の人には、やや馴染が薄

い。菊の雅趣と長寿の願いが作句の眼目」と、山下一海氏は

記述されている。

(新日本歳時記・秋「重陽」、山下一海氏の記述より紹介)