令和2年9月14日(月)
とんぶり : すぶし
アカザ科の1年生の箒草(ほうきぐさ)の実
箒草は庭や畑に植えられ、茎は乾燥して草箒にする。
とんぶり畑
緑色の小粒な実は、油で炒めたり、和え物にいれる。
そのプチプチした舌触り、歯ざわり、食感は「畑の
キャビア」といわれ、珍重される。
東北の日本海側では「とんぶり」、八戸地方では、
「すぶり」と呼ばれている。
とんぶりの名の由来は、魚の鰰(はたはた)の卵の
「ぶりこ」に似た、中国の唐伝来の「唐ぶりこ」が
省略され、それが訛ったものと言われる説が有力で
ある。
出羽の国(今の秋田県)の米代川流域に住んで居た
民(「百姓)達は箒草を栽培して暮らす中、飢饉に
遭遇し、その果実を何とか食べる事は出来ないか工
夫し、食べたのが始まりと言われる。
以降、当地域の特産物として定着し、この地方の
名産品となった。
秋田の特産:とんぶり
とんぶりの収穫期
作り方は、箒木の成熟した実を収穫し、1週間程
天日干しにする。 乾燥した実を釜で煮て、その
まま1昼夜(24時間)湯温でふやかして置く。
実を揉んで外皮を取り除き、脱水する。
こうして出来た実は、直径1~2mmの粒状で
無味無臭。食用として、とろろ汁や納豆、オクラ
等のネバネバ系に加えて食べる。サラダ、和え物
にも良い。
薬用として、強壮剤、利尿剤に良いとされる。
今日の1句
とんぶりに鰹節かけ朝の飯 ヤギ爺