令和3年3月4日(木)
北窓を開く
冬の間、北側の窓を開けておくとどうしても寒風が
入り込み易いので、確りと閉じて居る。
その窓を開くわけであるが、もはや風が入って来て
もそんなに寒い思いをせずに済む。
春になって喜びが自ずから沸いてくるようである。
北国では、とりわけ春を待つ気持ちが強い。
雪に閉ざされる冬の季節が長く、それだけに春を待ち
うきうきとした気分になれる様である。
北窓から眺められる風景にも、久しぶりに出会える、
和風建築の印象を濃厚に留めた季語である。
俳人の夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に、
北窓開くの記述が在ったので紹介したい。
北窓開く
冬の間、締め切っっていた北向きの窓を開くこと。
長い冬を体験する北国の人達にとって、北窓から入って
くる冷たい隙間風の音を気にする事もなくなる春。
その訪れを心から喜ぶ、実感に満ちた季語なのだろう。
が、 四国は愛媛県の滅多に雪も降らない安穏な街で、
のほほんと暮らしている私にとっては、あまりにも実感
の薄い季語である。
さらに、作今の建具サッシの優秀さは隙間風と共に、
「北窓塞ぐ」「北窓開く」等の季語をも絶滅寸前に追い
込んでいる、といっても過言ではない。(以下省略)
(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より、引用した)
私の住む名古屋近辺でも、降雪が少なくなった。
上記と同様に、北窓の開け閉めを気にする事は殆ど
ない。
亦、コロナの影響で、換気のために窓の開閉は常に
心がけて居り、「北窓開く」の季語は、、、、
娘の住む(一宮)家は、木造家屋であるが、北窓を
余り意識する事はなかった。然し冬の季節には北風
が強く、北窓を余り開ける事はなかったが、、
それでも日に、何度も明けていた様に思う、、、
今日の1句(俳人の名句)
北窓を開け父の顔母の顔 阿波野 青畝