遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

北窓を開く

2021-03-04 16:24:53 | 日記

令和3年3月4日(木)

北窓を開く

冬の間、北側の窓を開けておくとどうしても寒風が

入り込み易いので、確りと閉じて居る。

その窓を開くわけであるが、もはや風が入って来て

もそんなに寒い思いをせずに済む。

春になって喜びが自ずから沸いてくるようである。

北国では、とりわけ春を待つ気持ちが強い。

雪に閉ざされる冬の季節が長く、それだけに春を待ち

うきうきとした気分になれる様である。

北窓から眺められる風景にも、久しぶりに出会える、

和風建築の印象を濃厚に留めた季語である。

 

俳人の夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に、

北窓開くの記述が在ったので紹介したい。

北窓開く

冬の間、締め切っっていた北向きの窓を開くこと。

長い冬を体験する北国の人達にとって、北窓から入って

くる冷たい隙間風の音を気にする事もなくなる春。

その訪れを心から喜ぶ、実感に満ちた季語なのだろう。

が、 四国は愛媛県の滅多に雪も降らない安穏な街で、

のほほんと暮らしている私にとっては、あまりにも実感

の薄い季語である。

さらに、作今の建具サッシの優秀さは隙間風と共に、

「北窓塞ぐ」「北窓開く」等の季語をも絶滅寸前に追い

込んでいる、といっても過言ではない。(以下省略)

(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より、引用した)

 

私の住む名古屋近辺でも、降雪が少なくなった。

上記と同様に、北窓の開け閉めを気にする事は殆ど

ない。

亦、コロナの影響で、換気のために窓の開閉は常に

心がけて居り、「北窓開く」の季語は、、、、

娘の住む(一宮)家は、木造家屋であるが、北窓を

余り意識する事はなかった。然し冬の季節には北風

が強く、北窓を余り開ける事はなかったが、、

それでも日に、何度も明けていた様に思う、、、

 

今日の1句(俳人の名句)

北窓を開け父の顔母の顔    阿波野 青畝