遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

もったいない

2021-03-17 16:07:40 | 日記

令和3年3月17日(水)

もったいない 

物の本体を失する意、もともとは仏教用語で「勿体ない」は

元は「不都合である」「かたじけない」等の意で使われた。

その物の値打ちが生かされず、無駄になるのは惜しい。

棄てるのはもったいない。おしゃべりは時間が勿体ない等と

いう。

食品ロス

 

日本では古来から使われる言葉だが、2004年にケニアの

のワンガリ・マータイさんが「ノーベル平和賞」を受賞した。

2005年の「国連女性地位委員会」で、「もったいない」

という言葉を世界中に広めた。

自然や物に対する敬意、愛情等の意思(リスペクト)を伝え

る表現が見つからず、消費削減・再使用・再利用・尊敬を込

めた言葉として日本でよく使われる「もったいない」をこの

場で伝え、世界に共通する言葉として、出席者全員にこれを

唱和させ、世界中に「もったいない」が広まった。

宴会での食べ残し

 

今朝の中日新聞のコラム「中日春秋」に「もったいない」の

記述があったので紹介したい。

美食家の北大路魯山人は「残肴」(食べ残しの肴)を使った

料理を得意としていたという。客の食べ残しの再利用である。

北大路魯山人

 

工夫を加えて家族に出せば喜ばれる。魚の骨は犬にやればよ

いと、随筆で述べている。米の一粒にも役割はある。

生かさないまま捨ててはならないとも。用あるものはことご

とくその用を使い果たすところに天命はあるのだと思う。(春

夏秋冬:料理天国)

見直されている日本の「もったいない」に通じるところが有り

そうな精神だ。 最後の一滴まで、その使命を全うさせたい。

そんな願いが向けられているのが「新型コロナウイルス」の

ワクチンであろう。

 

廃棄される薬液を極力を産まない日本の注射器が、近く量産

されるという。 ファイザー社製のワクチンは一瓶五回分と

されていた。 

大手医療機器メーカーのテルモの注射器は薬液が残りにくく、

七回摂取が可能だそうだ。 量が増えるのと同じという事だ

ろう。 その注射器が上手く使えれば瓶の中のワクチンはそ

の使命を全うしよう。 

政府は調達を見送ったが、京都の病院からインスリン注射器

で七回摂取する提案も在った。感染の収束に向け有力な切り

札が他にない中、確保の遅れも懸念されるワクチンだ。 

インスリン注射器

 

注射器を巡る努力や工夫は厳しい現状の表れでもあろう。 

ただ「もったいない」の国の技術が生きたのだと思えば誇

らしくもある。

(中日新聞、3月17日朝刊コラム:中日春秋より引用した)

世界中で、中々ワクチンが手に入り難い中、一瓶の摂取量を

少しでも増やそうと、「もったいない」の精神が生きている。

 

今日の1句

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