室生寺への入口に位置する寺院で、681年に修験道の開祖とされる「役行者」によって創建されたといわれ、元は室生寺の西門としての役割があったという。
当寺は磨崖仏(まがいぶつ)で知られた小寺だが、樹齢300年とされる2本のしだれ桜と、紅しだれ桜30本が咲き誇る、桜の寺としても有名で、寺門をくぐると巨木のしだれ桜が出迎える。本堂よりのところにも1本の大きなしだれ桜があり、その奥に見える桜と並ぶ姿はなかなか壮観である。
宇陀川を挟んだ向かい側の断崖に刻まれた、身の丈11.5mもある「弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)」は圧巻で、興福寺の僧・雅縁の発願により、承元元年(1207年)から制作が開始され、同3年に後鳥羽上皇臨席のもと開眼供養が行われた。作者は宋から来日した石工・伊行末(いぎょうまつ/いのゆきすえ)の一派といわれており、言い伝えでは、山城国笠置山にあった弥勒の大石仏(現在は光背のみが残る)を模したものという。
岩に挙身光式の凹みを切り込み、その内面を水磨きして線で描いたもので、遠目にはよく見にくいが、夕日があたる
とクッキリと浮かび上がって見えるのだそうだ。
境内に入らなくてもその姿は拝められるが、境内「遙拝所(ようはいじょ)」からの姿も見ておきたい。
磨崖仏の荒々しさが和らいで、やや穏やかな印象を受けるだろう。
このほか本堂には、秘仏本尊の「木造弥勒菩薩立像」と「木像地蔵菩薩像」(重文・旧国宝)が安置されているが、拝観はできない。「木像地蔵菩薩像」は別名「身代わり地蔵」と言われ、無実の娘が火あぶりされそうになった時、身代わりとなって半身が焼けたという伝説がある。
所在地:宇陀市室生区大野1680。
交通:近鉄大阪線「室生口大野駅」から徒歩5分。
当寺は磨崖仏(まがいぶつ)で知られた小寺だが、樹齢300年とされる2本のしだれ桜と、紅しだれ桜30本が咲き誇る、桜の寺としても有名で、寺門をくぐると巨木のしだれ桜が出迎える。本堂よりのところにも1本の大きなしだれ桜があり、その奥に見える桜と並ぶ姿はなかなか壮観である。
宇陀川を挟んだ向かい側の断崖に刻まれた、身の丈11.5mもある「弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)」は圧巻で、興福寺の僧・雅縁の発願により、承元元年(1207年)から制作が開始され、同3年に後鳥羽上皇臨席のもと開眼供養が行われた。作者は宋から来日した石工・伊行末(いぎょうまつ/いのゆきすえ)の一派といわれており、言い伝えでは、山城国笠置山にあった弥勒の大石仏(現在は光背のみが残る)を模したものという。
岩に挙身光式の凹みを切り込み、その内面を水磨きして線で描いたもので、遠目にはよく見にくいが、夕日があたる
とクッキリと浮かび上がって見えるのだそうだ。
境内に入らなくてもその姿は拝められるが、境内「遙拝所(ようはいじょ)」からの姿も見ておきたい。
磨崖仏の荒々しさが和らいで、やや穏やかな印象を受けるだろう。
このほか本堂には、秘仏本尊の「木造弥勒菩薩立像」と「木像地蔵菩薩像」(重文・旧国宝)が安置されているが、拝観はできない。「木像地蔵菩薩像」は別名「身代わり地蔵」と言われ、無実の娘が火あぶりされそうになった時、身代わりとなって半身が焼けたという伝説がある。
所在地:宇陀市室生区大野1680。
交通:近鉄大阪線「室生口大野駅」から徒歩5分。