平城京に遷都した和銅3年(710)、藤原不比等が藤原氏の氏神である鹿島神宮から武甕槌命(たけみかずちのみこと)を神山御蓋山(みかさやま)山頂浮雲峰(うきぐものみね)に遷し、天平時代神護景雲2年(768)称徳天皇の勅命により左大臣藤原永手によって、現在地に壮麗な社殿を造営して香取神宮から「経津主命」、また枚岡神社から「天児屋根命」「比売神様」を合祀したのが始まり。
藤原氏の隆盛とともに栄え、平安時代初期には官祭が行われるようになった。例祭である春日祭は、賀茂神社の葵祭、石清水八幡宮の石清水祭とともに三勅祭の一つとされる。嘉祥3年(850)には武甕槌命・経津主命が、天慶3年(940)には、朝廷から天児屋根命が最高位である正一位が授けられた。『延喜式神名帳』には「大和国添上郡 春日祭神四座」と記載され、名神大社に列したという。
藤原氏の氏神・氏寺の関係から興福寺との関係が深く、弘仁4年(813)、藤原冬嗣が興福寺南円堂を建立した際、その本尊の不空絹索観音が、当社の祭神・武甕槌命の本地仏とされた。神仏習合が進むにつれ、春日大社と興福寺は一体のものとなっていった。11世紀末から興福寺衆徒らによる強訴がたびたび行われるようになったが、その手段として、春日大社の神霊を移した榊の木(神木)を奉じて上洛する「神木動座」があった。
明治4年(1871)に春日神社に改称し、官幣大社に列した。昭和21年(1946)12月に現在の春日大社に改称した。平成10年(2002)12月には、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録された。
さて建造物などを紹介していこう。
三条通と国道169号線が交差する一の鳥居前交差点のところに「一の鳥居」(重文)が建てられている。鳥居自体も大きいが全体のスケールに比べ柱の太いのが特徴的である。ここから東側(奥側)が春日大社の参道になっている。「一の鳥居」からかなり離れて建てられている「二の鳥居」をくぐると「手水場」がある。ここの手水場の水は春日大社らしく鹿の像が口にくわえている筒から出ている。
参道を東に進み、二の鳥居をくぐって暫く歩き、短い石段を上がると鮮やかな朱塗りの大きな「南門」(重文)に着く。当初はこの場所には鳥居が立っていたとされているが治承3年(1179)に楼門に改められたという。
南門をくぐると正面に「神拝所」がある。「神拝所」は「幣殿・舞殿」(ともに重文)が一棟になった建物である。中門は本殿の直前にある楼門で約10mの高さがあり、正面の唐破風(からはふう)は明治時代に取り付けられたもの。御廊は中門から左右に約13m、鳥が翼を広げたように延びていおり、現在本殿の祭典では神職の座る場所となっているが、昔は興福寺の僧侶が経をあげる場所だったという。
本殿は春日造りと称し四殿が並んで建っており、第一殿に武甕槌命、第二殿に経津主命、第三殿に天児屋根命、第四殿に比売神が祀られている。拝殿はなく参拝者は幣殿の前で祈願する。
中門の外からは僅かに千木が見える程度で、本殿全体を見ることはできない。中門内中央に春日大社で最大の釣金燈籠が下がっている。これは近衛篤麿の奉納によるものという。
御廊前の西側の石段を下りた先に「移殿(内侍殿)」(重文)が建っており、かつて御神前で奉仕をする内侍(女性)が控えていた建物で、20年に一度の本殿の造り替えの際、四柱の祭神を移すための建物といわれている。
廻廊内北西隅宝庫の東側風宮様の御垣の中に「七種寄木」あり、イスノキ、ヤマザクラ、ツバキ、ナンテン、ニワトコ、フジ、カエデの七種が共生する珍しい木で、古来、風神の威徳をもって種子を集められたといわれ、やどり木であることから、子授けの霊木と崇められ、紙捻(こより)に願い事を書いて結びつける信仰があるようだ。
大社までの参道の途中にある「神苑」は参拝者にやすらぎを与える神様の庭として、現在は一般に公開しているが、もとは、万葉植物園として昭和7年(1932)に開園された。
苑内にある池の中の中之島には「遥拝石」が置かれ、その前には朱塗りの「浮舞台」が設けられている。「遥拝石」はかなり大きな石で表面に「神」と彫られている。
また苑内には多くの木や草花が植えられており、四季折々の草木が花をつけるようである。
大社の見所の一つとして、「砂ずりの藤」と呼ばれる藤があります。古くからこの藤は自生していたらしく、花穂が1m以上にもなり、地面の砂をするほど伸びることからこの名前がついています。花穂の長さは毎年かわり、種類はノダフジと基本的には同じ種類の用です。見頃は4月下旬頃から5月中旬。
大社の万灯籠は、約800年もの昔から行われて来た行事で境内にある3千基の境内にある灯籠は、昔から今日に至るまで、藤原氏をはじめ、広く一般国民から奉納されたものなんだそうです。
万灯籠は年2回、2月の節分と8月のお盆の14日、15日時期に行われており、特に8月は舞楽の奉納が本殿の前で行われる。
所在地:奈良県奈良市春日野町160。
交通:JR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通バスで春日大社本殿行「春日大社本殿」下車すぐ。または市内循環・外回り循環「春日大社表参道」下車、徒歩約10分。
藤原氏の隆盛とともに栄え、平安時代初期には官祭が行われるようになった。例祭である春日祭は、賀茂神社の葵祭、石清水八幡宮の石清水祭とともに三勅祭の一つとされる。嘉祥3年(850)には武甕槌命・経津主命が、天慶3年(940)には、朝廷から天児屋根命が最高位である正一位が授けられた。『延喜式神名帳』には「大和国添上郡 春日祭神四座」と記載され、名神大社に列したという。
藤原氏の氏神・氏寺の関係から興福寺との関係が深く、弘仁4年(813)、藤原冬嗣が興福寺南円堂を建立した際、その本尊の不空絹索観音が、当社の祭神・武甕槌命の本地仏とされた。神仏習合が進むにつれ、春日大社と興福寺は一体のものとなっていった。11世紀末から興福寺衆徒らによる強訴がたびたび行われるようになったが、その手段として、春日大社の神霊を移した榊の木(神木)を奉じて上洛する「神木動座」があった。
明治4年(1871)に春日神社に改称し、官幣大社に列した。昭和21年(1946)12月に現在の春日大社に改称した。平成10年(2002)12月には、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録された。
さて建造物などを紹介していこう。
三条通と国道169号線が交差する一の鳥居前交差点のところに「一の鳥居」(重文)が建てられている。鳥居自体も大きいが全体のスケールに比べ柱の太いのが特徴的である。ここから東側(奥側)が春日大社の参道になっている。「一の鳥居」からかなり離れて建てられている「二の鳥居」をくぐると「手水場」がある。ここの手水場の水は春日大社らしく鹿の像が口にくわえている筒から出ている。
参道を東に進み、二の鳥居をくぐって暫く歩き、短い石段を上がると鮮やかな朱塗りの大きな「南門」(重文)に着く。当初はこの場所には鳥居が立っていたとされているが治承3年(1179)に楼門に改められたという。
南門をくぐると正面に「神拝所」がある。「神拝所」は「幣殿・舞殿」(ともに重文)が一棟になった建物である。中門は本殿の直前にある楼門で約10mの高さがあり、正面の唐破風(からはふう)は明治時代に取り付けられたもの。御廊は中門から左右に約13m、鳥が翼を広げたように延びていおり、現在本殿の祭典では神職の座る場所となっているが、昔は興福寺の僧侶が経をあげる場所だったという。
本殿は春日造りと称し四殿が並んで建っており、第一殿に武甕槌命、第二殿に経津主命、第三殿に天児屋根命、第四殿に比売神が祀られている。拝殿はなく参拝者は幣殿の前で祈願する。
中門の外からは僅かに千木が見える程度で、本殿全体を見ることはできない。中門内中央に春日大社で最大の釣金燈籠が下がっている。これは近衛篤麿の奉納によるものという。
御廊前の西側の石段を下りた先に「移殿(内侍殿)」(重文)が建っており、かつて御神前で奉仕をする内侍(女性)が控えていた建物で、20年に一度の本殿の造り替えの際、四柱の祭神を移すための建物といわれている。
廻廊内北西隅宝庫の東側風宮様の御垣の中に「七種寄木」あり、イスノキ、ヤマザクラ、ツバキ、ナンテン、ニワトコ、フジ、カエデの七種が共生する珍しい木で、古来、風神の威徳をもって種子を集められたといわれ、やどり木であることから、子授けの霊木と崇められ、紙捻(こより)に願い事を書いて結びつける信仰があるようだ。
大社までの参道の途中にある「神苑」は参拝者にやすらぎを与える神様の庭として、現在は一般に公開しているが、もとは、万葉植物園として昭和7年(1932)に開園された。
苑内にある池の中の中之島には「遥拝石」が置かれ、その前には朱塗りの「浮舞台」が設けられている。「遥拝石」はかなり大きな石で表面に「神」と彫られている。
また苑内には多くの木や草花が植えられており、四季折々の草木が花をつけるようである。
大社の見所の一つとして、「砂ずりの藤」と呼ばれる藤があります。古くからこの藤は自生していたらしく、花穂が1m以上にもなり、地面の砂をするほど伸びることからこの名前がついています。花穂の長さは毎年かわり、種類はノダフジと基本的には同じ種類の用です。見頃は4月下旬頃から5月中旬。
大社の万灯籠は、約800年もの昔から行われて来た行事で境内にある3千基の境内にある灯籠は、昔から今日に至るまで、藤原氏をはじめ、広く一般国民から奉納されたものなんだそうです。
万灯籠は年2回、2月の節分と8月のお盆の14日、15日時期に行われており、特に8月は舞楽の奉納が本殿の前で行われる。
所在地:奈良県奈良市春日野町160。
交通:JR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通バスで春日大社本殿行「春日大社本殿」下車すぐ。または市内循環・外回り循環「春日大社表参道」下車、徒歩約10分。