朝護孫子寺は、信貴山の山腹に広がる信貴山真言宗の総本山で、境内に入るとすぐに世界一大きな張り子の「福寅」が出迎えしてくれた。今年の干支ということでもなさそうだが、寺内どこへ行っても様々な寅が見られる。
聖徳太子の創建(594年)とされ、582年ごろ聖徳太子が物部守屋の討伐のため、信貴山に立ち寄って戦勝祈願をしたところ、空に毘沙門天王が現れて必勝の秘法を授けたという。信貴山という山名も「信ずべき山、貴ぶべき山」という意味を込めて名付けられたという。その後、延喜2年(902)醍醐天皇によって「朝護孫子寺」と名付けられた。
戦国時代に織田信長に攻略され全焼。その後、文禄年中(1592)豊臣秀吉により再建されたとあるが、慶長7年(1602)秀頼とする説もあり定かではない。後に修復を加え延享3年(1746)に完成したが、昭和26年(1951)漏電による火災で焼失し、同33年(1958)に本堂を再建、現在に至っている。
鐘堂は袴腰が付いており、貞享4年(1687)に再建されている。梵鐘銘には信貴四郎とあり、南部遠明の家臣・田部井十郎が鋳造して奉納したとのこと。
元禄2年(1689)に建立、明治15年(1882)に修復している多宝塔には、坐像丈三尺に大日如来を安置しているが、恵心僧都作と一説にあることから、古くは天台宗との関わりがうかがえる。
仁王門は宝暦10年(1760)に大阪宝栄講が再建、明治14年(1881)に大修理され、福院鈴木恵照師の代(大正11年)にこの場所に移転された。
享保17年(1722)に建立された開山堂は、信貴山開祖の聖徳太子や宗祖弘法大師、中興開山命蓮上人のほか、四国88ヶ所の本尊を祀り、その各寺のお砂も敷いている霊験あらたかなお堂だ。
今では、「張子の寅」として知られているが、寅を祀るようになったのも、毘沙門天王が現れたのが寅年・寅日・寅の刻だった、という言い伝えによるそうだ。
見どころとしては、平安時代に書かれた「信貴山縁起絵巻(国宝)」が有名で、原本は奈良国立博物館へ寄託されているが、「霊宝館」で複製を見ることができる。信貴山で修行した命蓮上人の説話を描いたもので、有名な「飛倉巻」では、空を飛ぶ倉や米俵などが生き生きと描かれていて興味深い。
霊宝館の前に極彩色に彩られた「一切経蔵」があるが、その中には回転式の経蔵があり、それを一周させると全てのお経を読破したのと同じだけの功徳があるということなので、ご利益にあずかろうと渾身の力をこめて回してみたが、これがなかなか重く、他の参拝者たちと力を合わせてようやく一周させた。
本堂のすぐ脇には覚鑁上人が850年前、当山において唯一納めたという如意宝珠が祀られている「戒壇巡り」(100円)があるが、まったく灯りの無い本堂の地下を手探りで一周するという、かなりストイックな趣向である。
所在地:奈良県生駒郡平群町信貴山。
交通:JR・近鉄「王寺」から近鉄「信貴山下」で下車、奈良交通バスで信貴山下車。
聖徳太子の創建(594年)とされ、582年ごろ聖徳太子が物部守屋の討伐のため、信貴山に立ち寄って戦勝祈願をしたところ、空に毘沙門天王が現れて必勝の秘法を授けたという。信貴山という山名も「信ずべき山、貴ぶべき山」という意味を込めて名付けられたという。その後、延喜2年(902)醍醐天皇によって「朝護孫子寺」と名付けられた。
戦国時代に織田信長に攻略され全焼。その後、文禄年中(1592)豊臣秀吉により再建されたとあるが、慶長7年(1602)秀頼とする説もあり定かではない。後に修復を加え延享3年(1746)に完成したが、昭和26年(1951)漏電による火災で焼失し、同33年(1958)に本堂を再建、現在に至っている。
鐘堂は袴腰が付いており、貞享4年(1687)に再建されている。梵鐘銘には信貴四郎とあり、南部遠明の家臣・田部井十郎が鋳造して奉納したとのこと。
元禄2年(1689)に建立、明治15年(1882)に修復している多宝塔には、坐像丈三尺に大日如来を安置しているが、恵心僧都作と一説にあることから、古くは天台宗との関わりがうかがえる。
仁王門は宝暦10年(1760)に大阪宝栄講が再建、明治14年(1881)に大修理され、福院鈴木恵照師の代(大正11年)にこの場所に移転された。
享保17年(1722)に建立された開山堂は、信貴山開祖の聖徳太子や宗祖弘法大師、中興開山命蓮上人のほか、四国88ヶ所の本尊を祀り、その各寺のお砂も敷いている霊験あらたかなお堂だ。
今では、「張子の寅」として知られているが、寅を祀るようになったのも、毘沙門天王が現れたのが寅年・寅日・寅の刻だった、という言い伝えによるそうだ。
見どころとしては、平安時代に書かれた「信貴山縁起絵巻(国宝)」が有名で、原本は奈良国立博物館へ寄託されているが、「霊宝館」で複製を見ることができる。信貴山で修行した命蓮上人の説話を描いたもので、有名な「飛倉巻」では、空を飛ぶ倉や米俵などが生き生きと描かれていて興味深い。
霊宝館の前に極彩色に彩られた「一切経蔵」があるが、その中には回転式の経蔵があり、それを一周させると全てのお経を読破したのと同じだけの功徳があるということなので、ご利益にあずかろうと渾身の力をこめて回してみたが、これがなかなか重く、他の参拝者たちと力を合わせてようやく一周させた。
本堂のすぐ脇には覚鑁上人が850年前、当山において唯一納めたという如意宝珠が祀られている「戒壇巡り」(100円)があるが、まったく灯りの無い本堂の地下を手探りで一周するという、かなりストイックな趣向である。
所在地:奈良県生駒郡平群町信貴山。
交通:JR・近鉄「王寺」から近鉄「信貴山下」で下車、奈良交通バスで信貴山下車。