ガソリン生活 (朝日文庫) | |
伊坂幸太郎 | |
朝日新聞出版 |
車にだって感情があるし、考えることもできるし、排気ガスが届く範囲ならば車同士の会話もできる。
緑のマツダ、デミオが主人公。持ち主は四人家族。
デミオが回りの車と会話しながら、家族が関わる交通事故や苛め、恐喝などの事件と関わっていく。
とはいえ全体的に明るい雰囲気は伊坂幸太郎らしい。
印象に残ったのは、古い車体のブルーバードが言った言葉。
「クラクションが大きな音で鳴らされるのは、その音により、何かを知らせるためではなく、運転手の怒りや苛立ちを表明するためなのだよ。」
確かにその通り。私も気をつけよう。
そして隣の家の古いカローラがデミオに言った言葉。
「二つのことは同時にやれる。ただ、他のことに対する注意はかなり弱くなる。そして重要なのは、自動車の運転では、その、一瞬の見落としが致命的になるという点だ」
最近、スマホや携帯電話を片手に持ちながら運転する人を多く見かけるが、そういう人たちに聞かせたい。
車自身、駐車場に斜めに停まるとなんだか落ち着かないそうだ。
100台以上分の空いているスペースがあるのに、こんな風に停められた車はさぞかし恥ずかしかっただろう。
この小説読んだら、車を買い換えられなくなります。
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