目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

「シマフクロウとサケ」

2007年04月28日 | おすすめ本
福音館書店で働いている知人から、絵本が届きました。

アイヌの神話を、布で絵を描くことで表現した絵本。
アイヌという民族が、注目されている今だからこそ
出版できた、出版するべき本であるように思います。

読んでみて欲しい、という手紙と一緒に届いたその本は、
絵本というスケールを越えたもののように感じました。



これまで読んだ絵本とは、あらゆる意味で「違う」絵本でした。
絵本のページを開き、読み進み、読み終わった時点で、
感想を思い浮かべることができませんでした、何一つ。

本を読んだ後に一般的に使われる「おもしろかった」「おもしろくなかった」という
単純な2つの感想でおさめることができませんでした。

この本の物語自体はとても単純そのものなのです。

あえて、おもしろいか否かという視点だけでとらえるならば、私は「否」。
でもこの絵本のおもしろさはおそらく、ストーリーにあるものではないんだろうなあ
と思えました。


いってみれば、この絵本はアイヌの「聖書」でもあるように感じられました。

だけど、アイヌはこれまでの歴史の中で
聖書のように、大切なこと(神話とかそれにまつわるもの)を
「本」という形をとらず、口伝のみで伝えてきたというから、
この民族の壮大さは、ある意味、聖書を越えているようにも思います。
(キリスト教や仏教が劣っているというわけでは、もちろんないですよ、念のため)


アイヌやネイティブアメリカンのように
「神様」と一緒に暮らす、あるいは人と同視点の位置にあるかのような
生活を営んできた民族の暮らしは想像もつかない別世界。
もちろん、清く美しいなんてものでなく、むしろ苦しさに満ちたものなのだろうけれど

そういう民族を少しでも理解する、よすがになったらいいなあ、と
そして、この絵本を出版した知人のすごさを思いました。

誰にでもお勧めはできないけれど、大事にしたい一冊です。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tomo)
2007-04-30 08:17:44
私のお母さんが北海道出身なので、北海道も少し興味あります。図書館で子供に読ませる絵本等借りたりしていたので、「シマフクロウとサケ」も借りてみました。(せなけいこ さんの)貼り絵は知ってましたが、古布絵の絵本は見たことなかったので、すごいなぁと思いました。内容は子供が理解するには親が説明してあげないと無理でした。
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Unknown (tomoさんへ)
2007-04-30 08:48:07
へえ~、この方は貼り絵もされているのですね。
内容を親が説明してくれるなんて、幸せなお子さんですね。確かにお子さんが理解するには難しい部分がありますよね。鮭が神様なわけですからね(笑)
tomoさん自身はどんな風に感じられましたか?
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Unknown (tomo)
2007-04-30 12:29:49
なんとなく金の斧、銀の斧話を思い出しました~(笑)。
「おもしろい」とか「おもしろくない」という感想は、この本には当てはまらないと思いました。
読んだあとは、悪いことするとバチがあたるということを思い出しましたねぇ・・。
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Unknown (tomoさんへ)
2007-05-01 10:05:06
なるほどお。感想を求められると結構何回も読み返してしまう私ですが、実際のとこ、感想が思いつかなかったです。
だから余計に他の読んだ人の感想は聞いてみると楽しい!コメントありがとうございます。
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