3月のお彼岸に行きそこなっていた大阪市高槻にある両親のお墓参りに、私の兄妹とその連れ総勢6名で、
先週末に出かけてきました。
すでに桜の見ごろが終わりかけていましたが、京都はまだ満開の所も多く、京都駅はたくさんの観光客で
ごった返していました。
お墓参りは翌日に揃って行くことになっていましたので、前に行った赤い鳥居が隙間なく並ぶ伏見稲荷大社のさらに奥、
ずぅーと続く赤い鳥居はどこまで続くのか、その頂上稲荷山に登ってみたいと思っていました。
この日、気候もよくお天気にも恵まれていたので、夫と2人でこのハイキングをいよいよ決行することにしました。
新横浜から新幹線に乗り、JR稲荷駅に下り立ったのが午前10時、駅前から伏見稲荷大社の1番鳥居をくぐります。
全国に3万社以上もあるという稲荷神社の総本山ですから、その規模の大きさに圧倒されます。
お稲荷様のシンボル狛犬ならぬ狛狐もお出迎えです。
この狐の由来は、「春に山の神が里に下りてきて田の神となり、秋に収穫が終わると山に帰る」という古代信仰、
山と里を行き来する狐の習性によって狐が稲荷の使いとされるようになり、もともとは五穀豊穣の神様だった稲荷神社も、
商人にとって商売繁盛と祀られるようになったそうです。
桜門、本殿と重要文化財が並びます。急な階段をのぼり末社につくと、ここからいよいよ稲荷山への登りに入ります。
千本鳥居と言われる赤い鳥居群がどこまでも続きます。ほとんど隙間なく林立していることに、不思議な驚きがあります。
千本鳥居の終点は奥社奉拝所。
狐の絵馬には、思い思いの狐の顔が出来上がって、願いごとを描いて奉納されています。
灯篭の上に乗っている丸い石を持ち上げて、予想より軽ければ願いが叶い、
重ければ叶わないと言われている「おもかる石」、私は両手で持ち上げようと意気込んだのですが、
動いたのはほんの数センチ、やっぱり石ですから重いわけです。
この奥社奉拝所を過ぎると、上り坂は急勾配に、わずかに鳥居の間隔が広くなり、奉納されている不揃いな赤い鳥居が
目立つようになってきました。
登山道はカーブしながら続きます。鳥居の外は深い山の中、うっそうとした竹林、小鳥がさえずり気持ちのいい風が
吹き抜けます。
三つ辻という分かれ道、左の道を通ると裏参道で元に戻ることができます。ほぼ中間点でしょうか。
どこまでも続く階段と、どこまでも続く赤い鳥居のトンネルを進みます。やっと眺望の開けた四つ辻にでました。
京都市内が眼下にみえ、山桜やミツバツツジが咲き、ウグイスの鳴き声もします。
ここで少し腹ごしらえをして、頂上を目指します。
あと一息、さすがにこの辺りからは麓の稲荷大社の華やかさとは異なった、昼間でも薄暗くうっそうとした御膳谷奉拝所に
つきます。
このあたり一帯はしめ縄で巻かれた岩もあり、岩そのものが御神体となっています。
ここにも大小の鳥居が奉納されています。
やっと稲荷山頂上の一ノ峰に到着、満開の桜が出迎えてくれました。
帰りはこのまま戻ることもできるのですが、私達は四つ辻まで戻り、臨済宗東福寺派の大本山「東福寺」へ下りました。
ここは、秋の紅葉の名所ですが、この季節、観光客はまばらで、かえって、その本堂の大きさが際立って見えました。
その後、同じ東山の麓にある弘法大師が庵を結んだとされた、皇室の菩提所と言われている泉湧寺に寄り、
静かな境内で過ごしました。
桜の見収め
2日目、両親のお墓参りの後、お昼は今旬のタケノコを食べに行こうと言うことになり、京都筍の名産地、洛西大原野まで
レンタカーを走らせました。
途中で寄った善峯寺の枝垂れ桜、まさに満開でした。山の斜面の境内には桜が浮かび、春の息吹に酔いしれるほどでした。
桂昌院の枝垂れ桜
多宝塔、経堂付近
境内 白山の桜