JR東海のキャッチコピー「そうだ!京都へ行こう」の写真は真っ赤に燃える京都の紅葉を映していますが。
私たちが京都を訪れたのは1週間前。やっと色づき始めた頃で、燃えるような真っ赤ではなかったけれど、
かえってこの紅葉を引き立たせるような黄色や山や苔の緑があって、これもまた京都らしかったと思いました。
それを特に感じたのが、洛北・大原でした。
この日はすでに天気予報では午後は雨マーク。朝は高い薄曇りでしたので、地下鉄とバスを乗り継いで、
まず三千院に向かいました。
念仏聖による浄土信仰の聖地として、大原の地は千有余年前より今もなおその静寂な空気は変わらず
息づいているように思いました。
三千院は、平安末期に皇族が住職を務めた天台宗三門跡のひとつで、極楽院には本尊の薬師如来のほかに、
国宝阿弥陀三尊が祀られています。
客殿から池泉鑑賞式庭園を望みます。
何といっても、だれもが惹きつけられるのは杉木立の庭園「有清園」。
境内を彩る紅葉と青々とした杉苔のコントラストに目を奪われます。どこを切り取っても、絵として
収まってしまうのは、整った庭園の美しさでしょうか。
苔の中から顔を出す、わらべ地蔵には、安らぎを覚えます。
大原の地は、大原女のゆかりの地でもあります。
三千院から歩いて3~40分、平清盛の娘・建礼門院が平家一門の菩提を弔うために終生を過ごした
尼寺「寂光院」があります。
のどかな風景を眺めながら、大好きなBS番組「猫の手とかえるのしっぽ」のベネシアさんの住まいも
このあたりかしらなどと思いながら、大原らしい風景を楽しみながら歩きました。
寂光院まで足を伸ばす人は少ないのでしょうか。三千院と比べ訪れる人もぐっと少ないように思いました。
2000年の火災で焼失し、再建された本堂。 紅葉に包み込まれたような隠れ里、去りがたい感じがします。
御神木である千年姫小松、樹齢数百年になる松でしたが、被災して現在は御神木として祀ってあります。
悲劇のヒロイン、建礼門院御庵遺跡
周りの木は大きく、寂光院が人里離れた山深いところにあることがわかります。
なんとか、雨にも降られず過ごした一日でしたが、今回の京都旅行で感じたのは、とても若い女性の
一人旅が多いことでした。
一人旅でこそ味わえる身も心も凛とする、そんな空気が京都の秋にはあるのでしょうか。