3日目
利尻島の鴛泊港から、礼文島の香深(かふか)フェリーターミナルまでは船で45分。
あっという間の船旅です。曇っていましたが、利尻島を離れる時も利尻富士は姿を見せて
くれました。離れるにしたがってその裾野が海岸まで伸びているのがよくわかります。
礼文島は、稚内から60キロメートル、利尻島から20キロメートル。
利尻島のような高い山はないけれど、島の森林限界が低いため、本州では高山でしか見られない
植物が春から夏にかけて300種類が咲く「花の浮島」と呼ばれています。
ホテルに荷物を置いてから、礼文林道と呼ばれるハイキングコースを歩いてみることにしました。
1時間ほどでダケカンバの林を抜けると、笹とハイマツの風衝地となり自然の厳しさの中で、短い夏に
咲く高山植物のお花畑をみることができます。可愛く健気に咲き、そのひたむきな姿に心打たれます。
ミヤマオダマキ オオバナエンレイソウ
チングルマの終わり レブンキンバイソウ
チシマフウロ
センダイハギ(利尻島、礼文島でみられました)
ハクサンチドリ レブンコザクラ
バイケイソウ
山腹側にお花畑を見、振り返れば見事な利尻富士が全容を見せていました。
遠く離れた地で、こんな素晴らしい景色を独り占めでき、立っていること自体が不思議でならないほどです。
礼文島は利尻島のように、島を一周する自動車道路はありません。
南北に長い29キロメートルをバスで往復してみました。
澄海岬(スカイ岬)
透明度が高く、切り立った岩壁と澄み切った海が特徴。ここでも岩に必死でしがみついているような
お花畑が続いています。
オオカサモチの群生
ミヤマオダマキ
チシマフウロ
スコトン岬
島の最北端の岬で、日本の「最北端」の地が宗谷岬であるのに対し、スコトン岬は日本の「最北限」と
呼んでいるそうです。
日本最北限の宿 目の前に見える島はトド島(かってはトド猟が行われていた)
4日目
あっという間に、旅行も最終日となってしまいました。
お昼のフェリーで稚内に戻ることになっていたので、もう一度礼文の高山植物の見納めにと、
3時間のハイキングコースに臨みました。
桃岩展望台からは、眼下に地下から押し上げたマグマが冷えながら球状に成長した巨岩、
桃岩を見ることができます。
レブンハナシノブは、昨日寄った観光協会の人から、そろそろ咲いているのではと開花が期待されて
いた花で、この花の群生を見つけたときは、心の中で歓声を上げてしまいました。
キンバイの谷と呼ばれる一帯には、ミヤマキンポウゲやレブンキンバイソウが一面に、
ハクサンチドリがこのお花畑を彩っています。
キンバイの谷を登り切ると、眼下に元地海岸の美しい海岸線が見えます。
クロユリも咲いていました。
曇り空で利尻富士が姿を見せなかったのは残念でした。ただ、礼文フラワーロードと呼ばれる
どこまでも続くかと思われる草原は風も心地よく、とても気持ちよかったのですが
前夜の雨で足元はぬかるんで泥だらけ、トレッキングシューズはだんだん重くなってきました。
ツバメ山を登り切ると、ここから緩やかな下りとなり知床海岸にでます。
笹の陰でみつけた、礼文のスズラン
元地灯台
知床海岸の、この小高い丘に吉永小百合主演の映画「北のカナリアたち」のロケ地がそのまま公園と
なった場所がありました。