小さな庭

デジタルな仕事について20数年、だからという訳でもありませんが、アナログな世界に惹かれます。

北海道稚内・利尻島・礼文島旅行記 ~レブンアツモリソウのこと~

2016-06-25 | 旅行

礼文島の代表的な花のひとつにレブンアツモリソウがあります。
この季節もっとも観光客が心を寄せるのは、やはり「レブンアツモリソウ」でしょうか。
あと2,3日で花期が終わるということでしたが、なんとか間に合いました。
そのふっくらとした花弁、色は柔らかなオフホワイト、華やかさはないけれどこの健気さに、
この最果ての地までやってきたことに大いに感慨深いものがありました。



以前は島のあちらこちらで、ほかの草花と一緒に咲いていたレブンアツモリソウだそうですが、
近年心無い盗掘被害が続いたため、現在は盗掘防止のための立入防止柵の中で、常駐している
監視員のもとで見ることができます。少し悲しい気持ちになります。


また、花の仕組みはとても不思議で、花粉を運ぶ昆虫マルハナバチの仲間が袋状をした
唇弁の上の開口部から中にはいると、唇弁の縁が内側に折れ曲がっているために直接出る
ことはできず、仕方なくハチは奥のめしべの下を通過した後、背中におしべの花粉をつけ
ながらようやく外へ出ることができるということです。
ハチを利用して受粉するためのなかなか巧妙な仕掛けというわけです。

また種は非常に小さく、発芽するために必要な栄養を持っていないので、礼文の土壌に含まれる
特殊なバクテリアと共存することで、栄養的な助けを得て発芽することがわかっているそうで、
この花は礼文島でしか見ることができないことがうなずけます。
種の保存法による特定国内希少野生動植物種に指定され、この群生地は天然記念物に指定され
ています。

島に礼文島リボンプロジェクトがあって、可愛いアツモリソウのリボンバッチを購入すると
その益金が環境保護活動に充てられるということで、早速応援させてもらいました。
その翌日、桃岩ハイキングコースでお花畑の中にわずかですが、なんとレブンアツモリソウを
見つけることができたのです。思わず声援を送りたくなりました。
4日間の旅で、もう少し日程に余裕があったらとも思いましたが、たくさんの高山植物も
見ることができ、充実した旅行となりました。

コメント (5)
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