goo

矢野誠プロデュース「1974」第一夜、南佳孝『摩天楼のヒロイン』

2011-05-18 23:38:00 | music
先週土曜は、「富士見市民会館キラリ☆ふじみ」のコンサートに行ってきました。

行けない方たちからライブレポよろしくと頼まれたので、簡単ですがご報告を書きます。
(出演者には知人とそうでないミュージシャンが交ざってまして、流れ的に敬称を付けたり略させてもらったり統一感がないですがご容赦ください)

会場が真っ暗になり赤いカーテンに閉ざされたステージの幕が開くと、ドキュメンタリー映画の始まりのようにテロップが流れる(白地の半透明の幕に映像が映る形だった)、そして一番左のスタインウェイのグランドピアノに南佳孝、その右奥に矢野誠のエレピでオープニングに2曲、そして半透明の幕が開き他のメンバーが登場、矢野さんが生ピアノの前に移動して南佳孝がその右で椅子に腰掛けエレアコを持つ。
その右にペダルスチールの駒沢氏、やや奥に立って弾く鈴木茂、その右前に座ってヴァイオリンのクジラ、その右奥にスツールに腰を乗せたベースの小原礼、一番右がドラムの上原“ユカリ”裕、ずらっと7人が並びました。
その後、Hero Sideのあとに休憩をはさみHeroin Sideと、ほぼ『摩天楼のヒロイン』のアルバムにそった曲順で演奏。
後ろのスクリーンには曲によって演奏のイメージにそった映像が流れるなどトータルに考えられた舞台でありながら、過剰さのない控えめな演出が音の世界を静かに支える流れが心地良かった。
そしてとにかく、矢野さんの弾くスタインウェイの音の迫力、その響きにはなんともうっとりでした。

最後の曲が終わった後、南氏が客席にいる松本隆に向かって「君が作ったアルバムなんだから上がって来て」って呼び上げてメンバー皆と一緒に拍手にこたえる。
そして、スクリーンにエンディングロール、ここまで完成された流れの中でアンコールはどうするのか?と思ったけど、拍手の鳴りやまぬ中全員がそろって出てきてくれて、セカンドアルバムの「これで準備OK」でシメでした。

私自身は当時に南佳孝のファンだったということではないのですが、矢野さんとは80年代から断続的に接点があって昨年末に進行中のこの企画の話を直接聞いていたのと、オットが「摩天楼のヒロイン」が好きで聴きこんでいたのでこのコンサートは楽しみにしていたし、とにかくこんなすごいメンツでのホールコンサートが体験出来て嬉しいことでした。

富士見市の文化事業企画のシリーズの一つとして実現したイヴェントのようですが、矢野さんの熱意とそれに動かされるミュージシャンのキャリアと実力がなければありえないことだし、非常にクオリティの高い素晴らしい内容だったと思います。

入り口で配られた年間プログラムを読んで理解したのですが、この「キラリ☆ふじみ」は文化を発信していくという姿勢を明確に打ち出しているホールなのです。
多くの公共のホールは、イヴェント屋さんに場所を貸して採算の足しになれば良しというハコであった時代が長く続いてきたかと思うけど、ここは市民文化のための劇場のあり方を問いなおし様々なワークショップや芝居、コンサートなどを展開しているとのこと。
秋からは矢野さんのワークショップも始まるそうです。
私の自宅からは車で30分ほどで行きやすい場所だし、これからも注目していきたいと思いました。


goo | コメント ( 2 )