猿と人類の全面戦争が始まってから2年が経ち、シーザー(アンディ・サーキス)が率いる猿の群れは、森の奥深くの砦に
姿を隠していた。ある日、奇襲によってシーザーの妻と息子の命が奪われる。シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐
(ウディ・ハレルソン)に復讐するため、オランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)らと共に旅立つ。
さて「ジェネシス」ではしゃべる猿「シーザー」の誕生を描き、「ライジング」ではウィルスによる人類の大量死と、生き残った
人間と猿たちとの闘いを描いてきた新シリーズも本作で3作目。本作ではオリジナル版の第1作につながる、人間の退化と
人類文明の滅亡への過程が描かれるが、予告編にもあるように作品冒頭で妻子を大佐に殺されたシーザーは、初めて大佐に対して
個人的な怨恨から殺意を抱く。あれだけ温厚だったシーザーが「恨みの念」に囚われることで、自ら疑心暗鬼に陥っていく
シーザーが登場した時の他の猿との格の違いというか、ヒーロー感がすごい。前作のコバと対峙するような分かりやすい
ドラマはないが、今回は悲劇を受けての復讐の鬼と言う事か?そこに前作のコバの姿が重なるのでやっぱ前作を観てないと
深みは出ない作品になってしまうと思います予想外だったのは、もっと種をかけた全面戦争になるのかと思ってたら、猿側
は王+三銃士という少数精鋭だった事。ちょっと迫力が足りない感じもするが、その方が個のキャラが立ち、ある意味
ドラマチックになっている利点もあったのかもしれない。この作品のヒロインとも言うべきあの少女、最初こそ小汚かったが
話が進むにつれ可愛くなって行くのは?無垢な彼女の存在により、より明確に猿たちの人間性、知能の高さが浮き彫りになる
少女にスポットが当たったシーンはウルっとさせられる。最初の出会いのシーン、あの花のシーン、そして・・・ルカの死の
シーン・・・あぁ~基地でシーザーと対面するシーンも素敵だったなぁ~憎しみと殺戮とで殺伐とした中での癒しだったな。
終盤はちょっと尻すぼみ感があるようにも思えたが、あれはあれで良いのかな?やっぱ全面戦争クライマックスを期待した
所があったので、まぁ、どこまでも猿たちの方が理知的ということかな?ラストのあれで人間は絶滅した訳では無く此れで
第一作に繋がるんですね
「コーネリアス」「ノヴァ」など、第1作の「猿の惑星」につながる名前も出てくるのも楽しいですよ ☆☆☆★