占い師の山田珠子(加賀まりこ)は自閉症の息子・忠男(塚地武雅)と二人で暮らしていたが、ある日
忠男の通う作業所で知的障害者のためのグループホームへの入居を勧められる。珠子は自分の死後
の忠男の人生を考え、忠男の入居を決める。しかし、環境の変化に戸惑った忠男は、ホームを抜け
出した際に、ある事件に巻き込まれてしまう。
知的障害の息子と暮らす老いた母、障害者グループホームと地域の関係、ただ淡々とその成り行き
を描く。ソフトに描いているけれど根本的な問題は深いと思う。誰が何に対して我慢したりどう
やって思いやりを持ち続ければ良いのか、答えは出ない気もするけれど考えさせられる
お隣に越してきた家族とある事件をきっかけに交流が始まり、ビールを飲みながら夕食を共にする
ほのぼのと温かみあるシーンがいい。 隣家の主、渡辺いっけいが『忠さんも一杯どうですか』と、
ビールを注ぐ。 珠子『ありがとう。名前で呼んでくれて』加賀まりこさんの優しさに溢れた言葉と
笑顔に癒されます。長期に渡る障害者の息子との生活に暗さも疲労感も見せずに優しく振る舞う姿
に感銘を受けました。山下清といい塚地さんはこの演技のイメージ強し。
「自分と、障害を持つ人は違う」と言い切る人に、是非見てもらいたい。 ☆☆☆★