テッド・チャンの小説「あなたの人生の物語」を映画化したものです。
[あらすじ]
ある日、世界各地に12機の異星人の宇宙船が出現し、それとコミュニケーションを
取るため言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)たちは米軍に招聘されます。
ルイーズたちが宇宙船の中に入ると、異星人たちは独特の文字を示すのでした。
その事と並行してルイーズが娘のハンナと過ごした日々が回想されてゆきます。
[感想]
こちらにとってSF映画としての要素以上に大きかったのは、ルイーズの決断でした。
ルイーズは、自分が娘のハンナを産んで、その後にハンナが病気になり、大人になる前に
亡くなることを知っていても、ハンナを産みます。
子供が産まれ、子供時代に病気になり、大人になる前に亡くなるということは、
本人や周囲の人の様々な欲望を叶えたり、利益に結びつくことはありませんが、
それでもルイーズがハンナを産むことにするという展開は、現代の支配的な価値観に対する
疑問の投げかけ、反論なのだと思いました。
この映画に関しては、様々なSF映画としての論評や、科学的な解説がありますが、
こちらにとってはその点が、一番大きな映画でした。
存在価値というものを考えさせる映画でした。
映画 『メッセージ』 予告編