雑目のアクション映画かと思い観ましたが、ダーク・コメディ映画でした。
人間の愚かさや醜さ、弱さを上手く映画化しています。
[あらすじ]
軍人のマーカス(マッツ・ミケルセン)は、アフガン派遣中に妻と娘が列車事故に
遭った事を知らされて帰国しますが、同じ車両に乗っていた数学者のオットー
(ニコライ・リー・カース)から、その事故は同じ車両に乗っていたギャングの裁判の証人を
抹殺するための陰謀ではないかと告げられ、オットーの友人のハッカーや、
画像解析の専門家と真相を探るのでした。
[感想]
何かとデコボコグループが行き当たりばったりで行動する展開で、そこからすでに
何かと不快感を感じさせる描写です。
グループはみな色々と醜く不快なところがある面々なのですが、
そこにはそれぞれ笑えない理由があるのでした。
そのあたりのことに関しては、あまり明示的に描かれていないところもあるので、
見る人が社会に関する知識を持っていないと解らないのかもしれません。
西ヨーロッパは近代になってからの歴史が米国より長いので、このような人間の愚かで弱い部分を
考えて、様々な社会制度を作っているのだろうかと考えさせる内容でした。
その事が死刑制度の廃止や、様々なドラッグの非犯罪化につながっている部分は大きそうです。
デンマーク映画と言えば「ヒトラーの忘れもの」(’16)がありますが、
何か通じるものを感じさせる内容でした。
映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家から高い評価を受けたことを
納得できる内容の映画です。
『ライダーズ・オブ・ジャスティス』予告編
映画『ヒトラーの忘れもの』予告編