精神科医たちはある程度は色々習うようですが、自分が育った家庭や
その周囲も経済的に安定していて平和なことから、そうではない家庭のことや、
そのような家庭で育つことがどういうことかを想像もできないようです。
そもそも中高と受験勉強をしっかりできる家庭の子供と荒れた家庭の子供では
交流もそれほどないため、自分たちとは違う成育歴のことはずっと知らないで
育つのでしょう。
そのため医師になってから、もっと何かを学ぼうと米国の研究機関や
スイスのユング研究所などに留学する人もいるようですが、そこも社会的階級が
高い家庭出身の教員や学生が多いでしょうから、自分たちと違う成育歴に関して
知ることは少なそうです。
海外に留学するよりも、日本国内でAA(アルコール・アノニマス)などに
関わったほうが、自分たちとは違う世界の人のことを知ることができそうです。
しかしながら、松本俊彦さんが書いているように、依存症の人はガラが悪かったり、
不潔だったりすることから、AAのようなところに関わろうとする医師は少ないようです。
自ら関わる気が無いなら、それを自覚し、ソーシャルワーカーなどの意見を尊重する態度を
身につけた欲しいものです。