ジョン・ル・カレのシリーズ物の小説の一作を映画化したものです。
派手なアクションなどはありませんが、西側のイギリスや東側のソ連も、
目的のためなら周囲を騙したり、関係ない人を死なせたりと、
冷え冷えとした展開が続きます。
当時は冷戦下で、「核爆弾がぶら下がっていた」時代なので、人命に無頓着な部分が
大きかったのでしょう。
さらっと惨殺された死体を映したり、無関係な人が巻き込まれて死んだりと、
背景描写で冷たい世界を映像化しています。
実際に、イギリス情報部の幹部がソ連の価値観に共感していて、
色々と情報を流していたそうですが、そのような重要省庁の幹部クラスは
上流階級出身者が占めていたとのことで、その人たちにとっては、
実際に外国で潜入などをするような人は、自分とは違う人たちという感覚だったのでしょう。
社会階級の固定や様々な格差の影響が大きそうな話です。
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