笹本稜平さんの「所轄魂」シリーズの4作目です。
【あらすじ】
飛び降り自殺と見られる遺体が発見され、その身元がIRに関するデベロッパーに勤務していた
人物と判明し、さらに自殺したと見られる時間帯に近くで不審な二人組みが目撃されていたことが解ります。
更に議員秘書の遺体も見つかりますが、双方とも抵抗した形跡もなく、捜査は進みません。
そうしているうちに葛木警部補の息子の警視庁キャリア組の所属する捜査2課が、
そのデベロッパーも関わる贈収賄事件を捜査していることを知らされます。
しかし贈賄相手は大物政治家なので、圧力を警戒して目立った捜査をすることができず、
一部の上層部にのみに渡す情報を限定して、捜査を続けるのでした。
【感想】
政治がらみのストーリーなので、話が拡がり、なかなか物語が進まず、ページ数が多く、
読むのに時間がかかった割には、主人公たちの周囲の事を描くのみに終わっていました。
著者も話を拡げすぎて、まとめられなくなったのではないでしょうか。
警察官たちの正義感は伝わって来ましたが、実際にこのような
正義感を持ち捜査をしている警察関係者はどれくらいいるのだろうかと思いました。
政治家にしても、お金のために政治をするするということと、自分の実現したいことのために
お金を集めるというのは、なかなか分けられない事ではないでしょうか。
これからは、そのあたりの葛藤を書く小説を誰かが書けばいいと思います。
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