アンカレッジ空港からタクシーに乗り、今晩の宿である、Susitna Place B&B を目指した。
涼子さんが、タクシー運転手との交渉から行き先の指示まで、全部やってくれる。いつも一人で海外出張する時は、白タクの呼び込みは毅然としてやり過ごし、優良タクシーのおっちゃんにまでも、警戒心100%で勝負を挑むのだが、今回は全然警戒の必要なし。同行してくれるスタッフがいるって楽なんだなと、すっかり頼りきりモードになった。
タクシーの窓を流れるアンカレッジの町並みは、アメリカだった。
「そっかー、やっぱりアメリカなんだ。なーんだ」、と分かってはいたが、ちょっとだけがっかり(?)した。アラスカに住んでいる人には怒られるかもしれないけど、私の中でのアラスカは、子供の頃に絵本で見た、「犬ぞりに乗ったエスキモー」。日本に来て、「ちょん髷を結っている侍がいない」って言う、時代錯誤もはなはだしい外国人は、何を隠そう私だったのでした。
タクシーはスムーズにB&Bに到着し、宿のおばさんに、「いらっしゃい」、と満面の笑顔で迎えられた。おばさんの説明が終わるまでは、玄関口でおとなしく聞いていたのだが、割り当てられた部屋に案内されたとたんに、修学旅行生みたいな落ち着きのなさで、お部屋チェックに走り回った私たち。そういえばこのツアーは、「大人の修学旅行」でしたよね。
みんなの羨望を集めたお部屋は、天蓋付きベットのロマンチックなお部屋。幸運にもこのお部屋をゲットしたタローさんとかねごんは、アンカレッジでの忘れられない一夜を過ごしたのでした。
B&Bからの景色を眺めながら、かねごんとの一夜に想いを馳せるタローさん、突然訪れた出会いに、何を思っているのでしょうか?
(写真はナッツのアルバムから)