ITに関係のある会社に勤めてはいますが、完全なるアナログ人間なので、ITとは無縁ですが、
ドコモのiモードを作った、夏野剛さんのセミナーに参加して、なるほどな~という面白い話を聞いたので、ご紹介します。
- 1994年12月にスタンフォード大学のジェリー・ヤンとデビット・ファイロがガレージでサービスをスタート
- 1994年がインターネットベンチマークイヤー
- 2000年 「IT革命」が流行語大賞となる
- 1998年 松井証券ネットトレードを始める(それまではなかった)
- 1997年 楽天創業、2000年上場
- ほんの14年~15年の間の出来事、驚異的なスピードの変化
第一の革命「効率化革命」 日本は対応が遅れている
- 2013年4月に国会で公職選挙法の議論があり、この時に、選挙期間中に候補者がweb page の更新をしていいかどうかという
議論が大真面目に行われた。この時は、「文章図画の領布にあたる」 ということでプリントアウトできるからダメだという結論になった。 - 2014年からはweb page, ツイッターの更新はOKになったが、2015年の今でもメールを打つのはダメ。こんなことでいいのか?
- 日本は、新しいテクノロジーが出てきたときに、既存のルールと照らし合わせて、既存のどこに入るかを考える人が多い。ルールができるまでやっちゃいけない。
- アメリカは、今ないものはやっていいという考え方。
- 日本は、今のユーザーに合わせて考えるので、新しさがなく、テクノロジーの効率が上がらない。本来はテクノロジーで効率が上がるのに、人が一生懸命邪魔している。
第二の革命「検索革命」
- 21世紀前に卒論を書いた人は、自分が書いた卒論を見ると、あまりのクオリティーの低さに愕然とする。なぜか?グーグルがなかったから。
- 検索ができることによって、個人の情報収集能力が飛躍的に上がった。
- 一般社員の情報収集能力が役員のそれよりも上で、専門家の定義までもが変わった。
- 会社の組織はフラット化にならざるを得なくて、社員の役割分担も見直すべき。これをやらないとGDPは増えない。
- 今の研究開発の主流は、研究室に閉じこもるのではなく、世界中の人とネットワークでつながる事。組織に閉じこもっていてはイノベーションは生まれない。
- 2004年のノキアは世界の携帯市場の42%を持っていた。その当時のノキアは、携帯電話でインターネットに接続したいのはiモードを使っている日本人ぐらいなもので、世界の人はそんなことは望んでいないと言っていた。
- Googleのエリック・シュミットはiモードを見て、これと同じようなことをやろうと考えたが、Google には技術者がいないので、出来そうな会社を検索エンジンを使って探して、50億で買収した。これが後のアンドロイドになる。構想からたった2年で開発した。
- 小保方さんの論文の不正を見つけたのは一般人。オリンピックのエンブレムの問題も最初の摘発は一般人が検索して見つけた。
- 一般人の検索能力の方が勝っている。
第三の革命「ソーシャル革命」
- エジプト政府が倒れたのは、Facebook とtwitter のせい。指導者がいないのに倒れたのは、みんなが、「おかしい、おかしい」とつぶやいたことが、共振したから。
- 個人と組織のパワーバランスが完全に変わった。個人の情報発信能力が飛躍的に拡大した。
- 今後は文化が発展する。なぜかと言うと、過去の文明の進化はすべて個人の気づきから始まったことだから。
個人の能力の最大化
- 100人の平均的な人間よりも一人のオタク。オタクは天才と同じ。オタクはものすごい労力をかけてネットで検索して、世界と繋がる。オタクを活用する。
- 人材開発じゃなくて、人材発掘
- 平均が高いことよりも、突き抜けた人材の活用、多様性を前提としたシステム。
- ゆとり教育は、スポーツの世界では成果を出した。時間があるから、小学校時代に好きなものに出会うことができた。例:石川遼、錦織圭など
- 学校の先生の知識レベルは、Google 先生に負けている。
- シリコンバレーの公立学校(Kaanアカデミー)では授業はすでに全部ビデオ映像になった。その学校は、Teachingはやめて、Coaching をするという方針に変えた。子どもの学習の進捗だけをフォローしている。
ニッポンの将来のために
- 日本は金がある。個人資産が1717兆円あり、個人と企業とで2000兆円も金がある。こんな国はほかにいない。
- 日本人はモラルが高い。外国人も、日本で働き始めるとモラルが高くなる。コンビニで働いている外国人も、レジに人が並び始めると、当然のように、レジに入って対応するようになる。少なくとも上海のコンビニではこんなことはない。日本という環境がモラルを高めている。
- 金と人と技術がある。3つ全部ある国は日本だけ
ニッポンの弱い部分
- 語学能力が低い
- 個性軽視、議論軽視、予定調和が好き
- どこか他人事でも許されるぬるい社会
ニッポンはこの20年間全然成長していない。目の前にはブルーオーシャンが広がっている。
幕末から明治維新、戦後の復興ができたのは、優秀な人材がいたからじゃないかと思います。
アジアの貧国に行くと、なぜ日本はここまで成長できたのだろうかと不思議に思うぐらい。
長期的には日本の未来は明るいと思っています。(楽観的)
今の子は、グーグル育ちなので、ひそかに期待しています。この子たちを引き上げることが、大人の役目だと思っています。