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NHK朝ドラ「虎に翼」で紹介された名判決文

2024年05月05日 06時58分19秒 | TV番組

NHK朝ドラは、「ブギウギ」に次いで、4月から日本初の女性弁護士、裁判官となった三淵嘉子さんをモデルとした猪爪寅子をヒロインとする「虎に翼」が始まったが、「ブギウギ」の延長線でほぼ毎日見ている。聞きなれない法律用語もいろいろ出てくるので、しっかりと見る必要もあるが、「ブギウギ」もそうだが、実話に基づく朝ドラはリアル感があってとっても面白い。「明律大学」は、日本で初めて法学部の女子部を創立した「明治大学」のことだし、「共亜事件」は、1934年に起こった帝人の株式売買をめぐりヒロインの父親を含め、政治家や財界人等16人を巻き込んだ疑獄事件であった「帝人事件」のことだし、歴史と比較しながら見ると大変興味深い。米津玄師の歌う“さよーならまたいつか!”という主題歌も軽快で楽しみとなっている。

5月3日の放送で、共亜事件の被告全員が無罪判決となったシーンが放送されたが、「あたかも水中に月影をすくいあげようとするかのごとし」(実際の事件では、「水中に月影を掬(きく)するが如し」)という名判決文が紹介された。本件において、検察側が主張するままに事件の背景を組み立てようととしたことは、すなわち、本件判決は証拠不十分によるものではなく、犯罪の事実そのものが存在しないと認めたものである。当時の判決文を起案したのは、石田和外さん(テレビでは、松山ケンイチが演じる桂場等一郎)で、事件が事実無根であることを強調し、無罪を言い渡し「司法界に石田あり」と注目されたようである。

名判決文といえば、すぐに思い出すのは、高校時代の同窓生のY氏が裁判長として、2002年に東京地方裁判所の判決で、被告の少年2人に対して出した名判決文である。彼は、判決の際、『唐突だが、君たちはさだまさしの『償い』という唄を聞いたことがあるだろうか。この唄のせめて歌詞だけでも読めば、なぜ君たちの反省の弁が、人の心を打たないかわかるだろう』と説諭を行った。裁判官が具体的な曲名を挙げる説諭は異例で、当時、テレビでも大きく取り上げられた。さだまさしの『償い』は、やさしくまじめな“ゆうちゃん”が、ある日突然、交通事故の加害者となり、自分の犯した罪を償うために被害者の妻に毎月、働いたお金を送るという歌詞で実話が基になっている。
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