徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

1964年の想い出

2014-01-03 22:01:26 | 歴史
 昨年9月、2020年のオリンピック開催地が東京に決まったこともあり、また今年でちょうど50年という節目の年となることで最近メディアで盛んに取り上げられる1964年の東京オリンピック。いろんなテレビ番組やドラマもあったが、見ていると番組制作の人たちも1964年の東京オリンピックを知らない世代になったことを強く感じる。うまく言葉で言い表せないが、番組で描かれたり、語られたりする空気感が実際の当時と微妙に違うのだ。
 僕にとって1964年は人生の中で最も想い出深い年。この年、大学に進学したのだがスポーツ推薦だったので、高校の卒業式も待たず、2月に入ると上京して大学水泳部の合宿所に入った。まだ、温水プールなど数えるほどしかない時代で、オリンピック対策のために神宮プールにテントを張った仮設温水プールや東大の地下温水プールなどでの猛練習が始まった。僕らはオリンピックとは縁遠かったが、チーム内には代表選手を狙っている選手もいたので例年よりも早いシーズンインとなっていたのだった。水泳に限らず、ほとんどのスポーツが同じような態勢に入っていたと思う。この年は、スポーツ界に限らず、全ての国民が10月のオリンピックへ向け、多かれ少なかれ参画意識を持っていたような気がする。
 そんな1964年の初めからFENなどのラジオ放送でイギリスのロックバンドが頻繁に流されるようになった。ビートルズである。当初はその独特のヘアスタイルや一風変わったシャウトなどから、“キワモノ”的な扱い方が多かった。一度聞くと耳に付いて離れないという感じで段々人気を博して行った。しかし、この年の後半あたりまでは多くのロックバンドのワン・オブ・ゼムでしかなかったと思う。僕自身、当時はアメリカのリズム&ブルースの方がよく聞いていたし、他にも魅力的な楽曲がいっぱいあった。そんな中の一つがデイブ・クラークファイブの「ビコーズ(Because)」である。