徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

老ドクターと松田聖子

2014-01-04 22:43:24 | 音楽芸能
 今年いただいた年賀状の中で最高齢の方は、今年93歳を迎えるS先生。文面には相変わらず「無為徒食の輩」などと先生一流の自虐ネタが書かれていた。もう30年ほど前になるが、横浜工場で産業医を務めておられたS先生のところへ仕事で度々お伺いした。お伺いすると必ず、終業後は横浜の街へ繰り出すのがお決まりだった。行きつけの店へ行くと先生は必ず、財布を店の女将に預ける。精算は女将にまかせていて店を出る時、財布を受け取って帰るというのが慣わしだった。ある時、何軒か回った後、カラオケバーに行った。そこで先生は病院に出入りしている製薬会社のプロパーさんを呼び出した。呼び出したわけはその若い男性のプロパーさんはおそろしく歌が上手い人で、先生は僕にそれを聞かせたかったのかもしれない。特に松田聖子の「SWEET MEMORIES」や「赤いスイートピー」などは絶品だった。松田聖子はその頃デビューして5、6年経っていたと思うが、実は僕の会社の大先輩に久留米の出身で、かつて松田聖子のお父さんと職場が一緒だったという人がいて、彼女がデビューする時、「応援をよろしく!」などと頼まれたりして、彼女にはずっと注目していたこともあり、この夜のプロパーさんの歌は特に印象深かった。毎年、S先生の年賀状を見る度にあの夜のことを想い出す。