気がつけば思い出Ⅱ

日々の忙しさの中でフッと気がついた時はもう
そのまま流れていってしまう思い出!
それを一瞬でも残せたらと...。

そろりとろり俳句の道(30)~【山笑う】

2024年05月31日 | そろりとろり俳句の道

※背景(しぇがさん/写真AC)

【俳句ポスト】は、松山市が運営する俳句投稿サイトです。

選者は初級者部門は家藤正人先生、中級以上部門は夏井いつき先生です。

4月の兼題は季語【山笑う】春(地理)でした。

※俳句歳時記

春の山の明るい感じをいう。

🔶北宋の画家郭煕(かくき)の『林泉高致』の一節に「春山淡治(たんや)にして笑ふが如し 夏山碧翠として滴るが如し 秋山明浄にして粧ふが如し 冬山惨淡として眠るが如し」とある。

そこから季語になった。➡山滴る(夏)・山装ふ(秋)・山眠る(冬)

例句:【故郷やどちらを見ても山笑ふ/正岡子規】

     

 妹の句:山笑う六十路のスニーカーは武器(初級者部門/入選)見出し

 私の句:リュック紐キリと結べば山笑ふ(初級者部門/入選)

※背景(yovenさん/写真AC)

     

山笑う(春)・山滴る(夏)・山装う(秋)・山眠る(冬)

先月の「花鳥風月」に続き今月は「春夏秋冬」でした。

どちらも良い響きの言葉です。

 

このごろ、遅まきながら旅行するようになり、山にも行く機会もあって(あまり高い山ではありませんが…)リュックも3個ほど買いました。

低い山でもこの歳になると「さあ行くぞ!」と意気込みが必要で、リュックの紐を締める…そんな所作を詠って見ました。

山笑う季節は「花が咲くのも、緑になるのも、これからだ」とほほ笑む季節のようです。

次の兼題は【南風(みなみ)】(三夏/天文)締め切り6月19日、発表7月22日です。

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そろりとろり俳句の道(29)~花見

2024年05月10日 | そろりとろり俳句の道

『俳句生活~よ句もわる句も~』は「通販生活」の俳句投稿コーナーで、選者は夏井いつき先生です。

入選句は(天・地/人/佳作)に分かれています。

3月の兼題:季語【花見】春(生活)

傍題:観桜(くわんあう)・桜狩・花の宴・花莚(はなむしろ)・花見酒・花見客・花見人・花人(はなびと)・花見舟

※俳句歳時記

桜の花を楽しむこと。桜花を愛でる習慣は、平安時代に起こったものだが、当時はもっぱら貴族の行楽とされた。

秀吉の醍醐の花見は有名だが、庶民の行楽となったのは、江戸も元禄以降のことである。

桜狩は、桜の名所を訪ね歩き、その美を賞すること。

🔶本来は群桜・群衆・飲食を伴う。

例句:【花見にと馬に鞍置く心あり/高浜虚子】

     

 妹の句:【一樹立つ花見に集う四十年】佳作入選

妹は、以前同じ職場にいた友人と退職しても親しくしています。(彼女は私の高校生時代の同級生でもあります)

その友人のお宅には一本の大きな桜の木があり、同時期の友人達で毎年「花見の会」をするそうです。

もう40年も続いていて、今回の句意はそんなところからきているようです。

 私の句:【お花見はランチの後のビルの谷】佳作入選

これは昨年、地下鉄茗荷谷駅から小石川植物園へ向かって歩いていた時に撮った写真です。

桜が満開で、ビルの間でもとても美しい風景でした。

その時を思い出して詠った句です。

5月の兼題は【葉桜】夏/植物(結果発表は7月10日)です。

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そろりとろり俳句の道(28)~霞

2024年05月01日 | そろりとろり俳句の道

※matsuemonさん/写真AC

『俳句生活~よ句もわる句も~』は「通販生活」の俳句投稿コーナーで、選者は夏井いつき先生です。

入選句は(天・地/人/佳作)に分かれています。

2月の兼題:季語【霞】春(天門)

傍題➜春霞・朝霞・夕霞・遠霞・薄霞・棚霞・霞む

(今回は通販生活編集部さんの手違いで選考が1ヵ月遅れになりました)

※俳句歳時記

春は大気中の水分が増えることによって、空の色・野面(のづら)・山谷(さんこく)など遠くのものが霞んで見えることがある。横に筋を引いたようにたなびく霞を棚霞という。

「草霞む」「山霞む」、また鐘の音に「鐘霞む」などとも用いられる。

『万葉集』の【ひさかたの天の香久山この夕べ霞たなびく春立つらしも/柿本人麻呂】のように、古来春の風情を表すものとして多く詠まれてきた。

🔶霞は遠くかすかで、ほのかな優しい感じのするものである。

例句:【高麗船のよらで過ぎ行く霞かな/蕪村】

     

【投句結果】

 妹の句:【七変化富士やわらかに春霞】(佳作)入選

写真※photolibrary

今回は、(人)への入選だけでもビックリなのに!

なッ、なんと3投句したうちの2句が(人)と(佳作)に入選しました。

 私の句(1):【霞む日の心はなべて故郷なり】(人)入選見出し画像

 私の句(2):【里のバス降りれば遠く霞かな】(佳作)入選

イラスト※ハチローさん/イラストAC

この写真は実家脇の道です。

私の実家は次の村(遠く霞がかったところに見える家々)まで、全く家がありませんでした。

この風景は私が家を出た頃の50年前と、今でもあまり変わっていません。

弟夫婦の仕業で、時々こんなひまわり畑になったりしていますが・・・

「霞」の兼題を考えてみて、今住んで居る場所ではあまり思いつかなく、3句とも郷里を念頭に詠んでみました。

そのうち2句が入ったことはとても嬉しいことでした。

この頃、行き詰っていて「自称、能書きたれ」なので短い文字で表現する俳句に向かないのではないかと思っていたところだったので、

少し続けることへの励みになりました。

妹ともこんな風に繋がっているのも楽しいし・・・

今日はもう5月1日、皆を楽しませてくれた桜もすっかり葉桜になってしまいました。

5月の兼題は【葉桜】です。

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そろりとろり俳句の道(27)~囀

2024年04月25日 | そろりとろり俳句の道

【俳句ポスト】は、松山市が運営する俳句投稿サイトです。

選者は初級者部門は家藤正人先生、中級以上部門は夏井いつき先生です。

3月の兼題は季語【囀/さへずり】春(時候)でした。

※俳句歳時記

繁殖期の鳥の雄の縄張り宣言と雌への呼びかけを兼ねた鳴き声をさし、地鳴きとは区別していて用いる。

早春から晩春にかけて、鶯・雲雀・目白・頬白・四十雀などさまざまな鳥の声を聞くことができる。

例句:【囀や二羽ゐるらしき枝移り/水原秋櫻子】

     

妹の句:【囀や邪魔せぬように障子開け】(初級者部門/入選)

背景※みらうりさん/写真AC

私の句:【囀りや木々を揺らして遠ざかる】(初級者部門/入選)見出し

     

「花鳥風月」とは自然の美しい風景を意味する言葉です。

職があり、毎日仕事に行っていた頃は、犬散歩でよそのお宅の庭などを見て「綺麗だなぁ~」と思ったりはしましたが、

およそ鳥のさえずりなどに気付くこともなく、日々を過ごしていました。

(鳥といえばカラスと雀くらいの認識でした。ましてや風や月などは天候に関することくらいで…)

仕事から解放されて、余生に入り時間に余裕ができてきてやっとこの意味が分かってきました。

そして俳句を始めて、なるほど「花・鳥・風・月」は「美しい風景なのだな」と理解するようになってきました。

でも、今回のお題の【囀/さへずり】は難しかったです。

「まだまだだなぁ~」と思いました。

来月の兼題は【薄暑】(夏/時候)です。

 

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そろりとろり俳句の道(26)~余寒(よかん)

2024年03月26日 | そろりとろり俳句の道

※背景/PotoBさん/写真AC

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選者は中級以上部門は夏井いつき先生、初級者部門は家藤正人先生です。

2月の兼題は季語【余寒】春(時候)でした。➜傍題:残る寒さ

※俳句歳時記

寒明後になお残る寒さをいう。

同じ様な季語に春寒(はるさむ)があるが、春寒(春寒し)は、既に春になった気分が強い。

例句:【世を恋うて人を恐るゝ余寒かな/村上鬼城】

     

妹の句:【朝陽眩しくも余寒肩に落つ】(初級者部門/入選)

私の句:【日暮れ時残る寒さや帰路急ぐ】(初級者部門/入選)

※背景/銀座/iPhone写

私の句は今回も「類想」に入っていました。

※家藤先生のピックアップコメント

寒さに関連する事物の連想は似通った物になりやすいようです。

「寒いから○○だ」「寒いから△△する」となる。

類想の上流である「寒いから」を一度離れてみると違った糸口が見えてくるかもしれません。レッツチャレンジ!

私の句が、安定の類想?から脱出するのには、いま暫くかかりそうです。

3月の兼題は【山笑う】(三春/地理➜傍題:笑う山)です。

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