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【桐壺】の巻 (3)
だれもかれも藤壺女御を、亡き光君の母にそっくりと言います。父帝に引き取られた光君は、母に「いとよう似給へり」という藤壺のおそばにいつも参りたく思うのでした。帝も藤壺に、この子の母として可愛がってくださいと言います。人々はお似合いの二人の美しさを「光君」と「かがやく日の宮」と申し上げていました。
光君は12歳で元服します。東宮(弘徴殿女御の第一男子)に劣らぬ立派な儀式です。この描写は大層詳しく、みづらから加冠への貴族の元服式の様子が分かります。この役を左大臣がおこないます。そして左大臣の姫君葵の上がこの夜の添い臥しとなります。結婚です。
左大臣は「いときびはにておはしたるを、ゆゆしううつくしと思ひ聞え給へり。」まだ12歳ながら、気味悪いほど愛らしい。
葵の上は「すこし過し給へる程に、いと若うおはすれば、似げなくはづかしと思いたり」私は少し年上なのに、光君は大層若々しく、似つかわしくなく気が引ける。
源氏(光君)12歳。葵の上16歳。藤壺女御17歳です。
源氏は内裏に住みます。この時代は通い婚で、左大臣邸では婿殿に対してすべての面倒をみます。しかし、源氏は左大臣邸になかなか足が向きません。源氏の心の中には、藤壺への思慕がふくらんでいきます。
元服後は父帝と行っていた女御たちの所への出入りは御法度です。
「…かかる所に、思ふやうならむ人を据えて住まばや、とのみ、なげかしう思しわたる」暗に藤壺をさして、あの人とこんな所に住めたら…と嘆くのでした。
藤壺は父の妃です。源氏の恋心は難しい状況であればあるほど、すごみをもって突き進みます。桐壺の巻はここで終わっています。では、また。
【桐壺】の巻 (3)
だれもかれも藤壺女御を、亡き光君の母にそっくりと言います。父帝に引き取られた光君は、母に「いとよう似給へり」という藤壺のおそばにいつも参りたく思うのでした。帝も藤壺に、この子の母として可愛がってくださいと言います。人々はお似合いの二人の美しさを「光君」と「かがやく日の宮」と申し上げていました。
光君は12歳で元服します。東宮(弘徴殿女御の第一男子)に劣らぬ立派な儀式です。この描写は大層詳しく、みづらから加冠への貴族の元服式の様子が分かります。この役を左大臣がおこないます。そして左大臣の姫君葵の上がこの夜の添い臥しとなります。結婚です。
左大臣は「いときびはにておはしたるを、ゆゆしううつくしと思ひ聞え給へり。」まだ12歳ながら、気味悪いほど愛らしい。
葵の上は「すこし過し給へる程に、いと若うおはすれば、似げなくはづかしと思いたり」私は少し年上なのに、光君は大層若々しく、似つかわしくなく気が引ける。
源氏(光君)12歳。葵の上16歳。藤壺女御17歳です。
源氏は内裏に住みます。この時代は通い婚で、左大臣邸では婿殿に対してすべての面倒をみます。しかし、源氏は左大臣邸になかなか足が向きません。源氏の心の中には、藤壺への思慕がふくらんでいきます。
元服後は父帝と行っていた女御たちの所への出入りは御法度です。
「…かかる所に、思ふやうならむ人を据えて住まばや、とのみ、なげかしう思しわたる」暗に藤壺をさして、あの人とこんな所に住めたら…と嘆くのでした。
藤壺は父の妃です。源氏の恋心は難しい状況であればあるほど、すごみをもって突き進みます。桐壺の巻はここで終わっています。では、また。