永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(貴族の生活と財政・紫の上)

2008年08月08日 | Weblog
◆紫の上の財産
 
 源氏が紫の上を迎えたのは、父の兵部卿の宮にも知らせず、二條の院に奪い去る形だった。従って、紫の上に親から分けられる筈の財産は何一つなかったので、紫の上が不自由をしないように、源氏が財産を与えたと考えられる。政所や家司を設けたという。
 紫の上は、源氏が財産を与えたから体面が保てたが、一般には、女が男を通わせることになれば、男の衣服、接待はもちろん、子供の生活費も女の方の負担であったから、男に捨てられないようにするには、かなりの財産と世話をしてくれる人が必要であった。

◆随身(ずいじん)・資人(しじん)

・随身としては、上皇に14人、摂政・関白に10人、大臣や大将に8人、納言や参議に6人というように、家司の他に、、近衛府の下級の武士が護衛のためとして、勅宣によって与えられる。さらに、貴族には、太政大臣に300人、左右大臣に200人、大納言に100人、中納言に30人が与えられた。

・資人とは、雑事に従事するものとして、一位に100人、二位に80人、三位に60人というように、五位以上の者に、与えられた。

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