ブログ仙岩

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紫陽花と外来ナメクジ

2015-07-08 08:16:50 | エッセイ
2013天声人語に、ナメクジを見たお孫さんが言ったそうだ。「カタツムリも外で遊びたいんだな」。別のお宅のお孫さんは訪ねた田舎でカタツムリを見つけ、「ナメクジが貝殻からぬけなくなってなっている」。・・・・

幼い子の目はやさしい。だが世間一般となると、両者の境遇は天と地ほど違う。片や紫陽花とともに雨の季節の風物詩だが、もう一方は嫌われる。似たもの同士なのにーーーとナメクジは身の不幸を嘆いていようか。

嫌われ役としての歴史は古い。清少納言も「枕草子」で「いみじうきたなきもの」の筆頭に「なめくぢ」を挙げている。その彼女が悲鳴を上げそうな外来種の大型ナメクジが、日本に上陸して繁殖を始めているそうだ。

体長は10センチを超え、15センチの大物もいた。しかも豹柄で迫力十分のようだ。今のところ、茨城、福島、長野の3県だけに分布が確認されており、さらに増えれば農作物の被害が心配されると専門家は話す。・・・

嫌われナメクジは、キュウリ、トマトに害はないが、ナスや小松菜など野菜、マリンゴールドに至っては殆んど食べつくしてしまう厄介者で、カタツムリは今のアジサイの季節にぴったりで好かれる身の上である。