ブログ仙岩

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白熱電球世代交代節電のLED

2015-07-30 05:55:02 | エッセイ
消えゆく白熱電灯(天声人語)より、

文明開化の明治の初め、「ランプ亡国論」なる珍説が世に流布した。ランプの輸入は貿易赤字を膨らませる。さらには在来の産業を滅ぼすと説く舶来品排斥論だった。むろん開花の奔流は止められず、西洋の利器はもてはやされ、日本の夜を明るくした。

しかし、ランプの天下は長く続かない。電灯に取って代わられる様子が、童話作家新美南吉の名作「おじいさんのランプ」に描かれている。「世の中は、電灯のの時世になった」と嘆くランプ売りが、一斉にともした売り物に石を投げ、割っていく場面をご記憶の方もおいでだろう。

以来なじみの深い白熱電球だが、ここにきて「肩たたき」が急だ。なにせ電気を食う。政府は製造と販売を控えるよう要請した。・・・・

節電のこの夏、窓を全開しての自然クーラーや省エネでタフなLEDへの移行が進みつつある。いろんな行事イベントでの照明がLEDになっている。値段は少し高いが、電力消費は2割以下、寿命は40倍と聞けば市民は納得する。会社や家で、不要な照明を消したり、エアコンを28度に設定したりの節電に努めている方もおろう。白熱電球の明りにはやさしさがにじむ、しかし、新旧交代の波に乗らねばならないときでもある。