2016/07/20 のブログで、イラガの羽化について報告しました。イラガは、年1化で初夏には羽化していると思い込んでいたので、例年イラガの繭がたくさん見られる太郎丸公園で、手に届く範囲のイラガの繭を採取して、確認することにしました。採取した繭は合計52個、内訳は次のとおりで、羽化は始まっているもののまだピークではないという結果でした。
➀ 羽化前の繭(中は蛹か中の状態が確認できないもの) 39個(75.0%)
② 羽化前の繭(中は寄生蠅の蛹のもの) 2個( 3.8%)
③ 羽化済の繭(繭に蛹の殻の残っているもの) 9個(17.3%)
④ 羽化済の繭(繭に蛹の殻の残っていないもの) 2個( 3.8%)
羽化済の繭の81.8%には繭から体の一部を出した蛹の羽化殻が残されています。これは、イラガが繭の中で完全に羽化して出てくるのではなく、羽化し始めた成虫が完全に羽化する前に動き出し、繭からの脱出口に下膨れした蛹の抜け出しを阻まれ、その状態で完全に羽化した結果ではないかと思います。
イラガは、『日本の鱗翅類ー系統と多様性』には「通常年1化、時に2化、2化の場合、成虫は6-9月、幼虫は7-8月および8-10月に出現するが、8月下旬-9月に多い」と書かれており、1化の場合の成虫の出現時期がよくわかりません。
《まだ羽化していないイラガの繭 2016/07/20》
《羽化殻の一部が外に出ているイラガの繭(⇒蓋、⇒羽化殻) 2016/07/20》
《羽化殻の一部が外に出ているイラガの繭 2016/07/20》
《繭の中のイラガの蛹 2016/07/20》
《イラガの繭の中で蛹化していた寄生蠅 2016/07/20》
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます