好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 ショルティ/シカゴ響

2015-05-29 23:35:03 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ショルティ
演奏…シカゴ響 
好み度…3.5(5点満点)

上手いし縦の線をしっかり揃えて、各パートはしっかり鳴って、かつお互いを邪魔せずに全体として機能的で心地よい響きをつくっている。
優れたアンサンブルである。
歌もそれなりに心地よく歌い、メリハリも適度につけて飽きさせない。フィナーレの凱歌もまさに勝利のファンファーレのようにたっぷりした歌いっぷりである。
ただ、その響きは機能的ではあるが、深みとはベクトルを異にしているように思われ、
歌も心地よいが叙情性となって心に届く類ではないように感じる。
高い技量を持った集団の、質の高い演奏であることは確かだと思うし、好みの問題であり、私にとっては、良質のエンターテイナーの優れたショーを聴く、そんな印象の盤。
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チャイコフスキー 交響曲第5番 ロストロポーヴィチ/ロンドンフィル

2015-05-29 23:30:38 | チャイコフスキー 交響曲第5番
チャイコフスキー
交響曲第5番

指揮…ロストロポーヴィチ
演奏…ロンドンフィル
好み度…4.5(5点満点)

事実としては、とにかくゆっくりとしたテンポである。
躍動感に欠けた冗長な演奏と捉えるか、堂々と、かつ叙情性を湛えた名演と捉えるか、
人によって印象は異なるかもしれない。
私は、この曲が賑やかなだけではなく深い叙情性を湛えた曲であることを表現した、この曲の名盤であると思っている。
演奏時間は約52分と長いが、常に響きに艶と緊張感を保った密度の濃い52分であり、
一音一音への意識が、失礼だがほんとにロンドンフィルかと思うばかりの美しさと緊張感を伴った完成度で表現されている。
他の演奏で聴き慣れた強奏部で、艶と美しさを伴った雰囲気を感じたり、この曲の力強さの中の美しさを表現するためにこのテンポが必要なのだと説得力がある演奏であり、楽章あるいは曲全体を見通しての雄大な起伏も印象的。
2楽章の冒頭も絶品であるし、フィナーレの堂々とした様も爽快である。
こういう重みと叙情性を感じさせるチャイ5は是非あっていいと思うし、
しかし、この曲はアプローチのしかたでいろんな面を見せる曲だな、と改めて思う。
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ベートーヴェン 交響曲第7番 フリッリャイ/ベルリンフィル

2015-05-29 23:22:23 | ベートーヴェン 交響曲第7番
ベートーヴェン
交響曲第7番

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリンフィル
好み度…5(5点満点)

最初の一音から力強く、そしてまさにベートーヴェンといった響き。
これくらい一音一音を強くしっかり音をつくりつつ骨太の流れを感じさせるベト7も他にはないと思われる。
一音一音しっかり弾かれる高弦とうなるかのように響く低弦と、木管やホルンの効果的な重なりがあって、
重厚でいかにもベートーヴェンらしい響きの、ど真ん中の剛球のような実直で力強いベト7である。
そんな中でも木管などによる柔らかさも併せ持ち、各パートが快活な活力を持った重厚さである。
どこか古風であり、快活であり、力強く、木管やホルンのからんだ響きが何ともベートーヴェン的な、
剛毅なベト7の代表格のような名盤といえるのではないだろうか。
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