頓死死体病理解剖
山田百合子
あるとせよ そうすれば にぎやかになる
だろうし それはそれとして ひとりでに
うごくだろう ならば このようにもでき
る はずみで やぷれることもあろう そ
のような ようすで うかがうこともでき
よう そのままを やがて たどるのであ
ろう めちゃくちゃに ごくふしぎに そ
こへとどまるようにみえて しかし やは
りそこへ とほうもなく とどまる こう
しておけば さて ないとせよ というな
ら それまでしばらくおいて もはやあり
えないというところへ いわゆる そうす
ることによって これまた どちらかとせ
よ そうすれば あのようなことが とつ
ぜんに ただひたすら ありつづけるとい
うことになり つまり たとえばのことで
はあるが ほとんど どちらでもなく そ
うはならないとしても ざわめきや ある
いは あたりまえだが そのようにもおも
えるし とてもあのようだといったり そ
して たとえ そうであるにせよ まさか
そうではないだろう だからというわけで
はないが とにかく こうなんだ そうし
たところで どちらかであるかどちらかで
ないかのどちらかとせよ そうなると こ
うにもああにも どうにもならなくて そ
うかといって さて とはいうものの さ
あ そろそろ あさめしでもたべましょう
かね いや それはきのうにまわして ど
うです こんばん いっぱつ おや それ
もよろしいですねえ いやほんとに ええ
そうなんですよ あははっは ぬははっは
山田百合子 戯言集(1979)『死体病理解剖 × ・・・・・ノオト』より
http://www.k4.dion.ne.jp/~rainbow3/yamada/zaregoto.htm