2010年9月22日-1
ニッチ概念を原義から考える2
「「ニッチ」の原義は「壁がん〔壁龕〕」であったが、直ぐそれから転じて一般に「凹所」、「安置場所」、「場所」、「適所」、「地位」、「位置」の意味になり、日常語でもそれらの意味で昔からよく使われてきた……(例えばOED, 1989)。」(太田 1994: 38)。
a. 壁龕、凹所、安置場所、適所
と、
b. 地位、位置
との間には、大きな違いがあるように思う。
aでは、或る物体を受け入れるもの、
であるのに対して、
bでは、或る物体を取り囲む、あるいはその物体と関係するもののなかでのなにか、を指すように思われる。
つまり、aでは、或る凹所と或る物体との関係を(さしあたっては)考えている。bでは、他の物体が存在する空間のなかでの(空間的)位置であり、さらには(意味が類推的に拡張されて)他の物体との(空間的だけでなく、あるいは、空間的ではない)諸関係のなかでの位置である。ここで、物体を生きている物体(生物体)と解釈すれば、生活する(様々な種に属する)生物体たちとの諸関係ということになる。
ついでに言えば、要素として、生物体ではなく、諸関係を(数学的集合の要素として)採用すれば(言わば逆発想)、川那部浩哉氏に言う、共同体〔群集〕とは『関係の総体』である、になるだろう。
ニッチ概念を原義から考える2
「「ニッチ」の原義は「壁がん〔壁龕〕」であったが、直ぐそれから転じて一般に「凹所」、「安置場所」、「場所」、「適所」、「地位」、「位置」の意味になり、日常語でもそれらの意味で昔からよく使われてきた……(例えばOED, 1989)。」(太田 1994: 38)。
a. 壁龕、凹所、安置場所、適所
と、
b. 地位、位置
との間には、大きな違いがあるように思う。
aでは、或る物体を受け入れるもの、
であるのに対して、
bでは、或る物体を取り囲む、あるいはその物体と関係するもののなかでのなにか、を指すように思われる。
つまり、aでは、或る凹所と或る物体との関係を(さしあたっては)考えている。bでは、他の物体が存在する空間のなかでの(空間的)位置であり、さらには(意味が類推的に拡張されて)他の物体との(空間的だけでなく、あるいは、空間的ではない)諸関係のなかでの位置である。ここで、物体を生きている物体(生物体)と解釈すれば、生活する(様々な種に属する)生物体たちとの諸関係ということになる。
ついでに言えば、要素として、生物体ではなく、諸関係を(数学的集合の要素として)採用すれば(言わば逆発想)、川那部浩哉氏に言う、共同体〔群集〕とは『関係の総体』である、になるだろう。